新田真剣佑、10年間で変化した役との向き合い方 「何もできなかった」からこそ続けた努力
俳優・新田真剣佑が2016年の『仰げば尊し』以来、TBS日曜劇場に約9年ぶりに帰ってきた。『19番目のカルテ』で演じているのは、外科医・東郷康二郎。「大好き」と公言していた松本潤との共演への思いから、今後の役者業の展望までじっくりと話を聞いた。
新田真剣佑が松本潤に惹かれる理由
――以前から大好きだと公言されていた松本潤さんと、念願のドラマ初共演です。やはりオファーを受ける決め手にもなりましたか?
新田真剣佑(以下、新田):やっと同じ作品で役者としてお芝居できることが、すごくうれしかったです。あの松本潤が、久しぶりに民放ドラマに出ると。僕自身も久しぶりの連ドラということで、「この人と一緒にやりたいな」と思う人とお仕事がしたかったので、すごくいい機会をいただきました。
――そんなふうに、人とのご縁で作品を決めるようなことも増えてきましたか?
新田:それは本当にそうですね。やっぱり、楽しくお仕事ができる人たちとご一緒したいので。知り合いも増えてきましたし、顔なじみがいるとうれしいです。
――共演が決まったとき、松本さんとは連絡を取りましたか?
新田:「よろしくね」とメッセージが来たあとに、偶然、ご飯会でお会いしたんです。松本さんも楽しみだと言ってくれたし、僕も楽しみにしていました。
――実際、共演されてみて?
新田:初日に撮影した病室のシーンでは、僕と患者さんが一緒にいるところに徳重(松本潤)が入ってくるんです。そのときに「うわ、松本潤が入ってきた」と思って、なんだか違う感動を覚えました(笑)。自分も松本さんも、ふだんのバラエティとはどこか空気感が違っていて。でも、カットがかかれば和気あいあいとしています。
――撮影の合間にはどんなお話を?
新田:「今日、車で来たの~?」とか(笑)。あとは、ずっと松本さんのほうを見ていたら「何!?」って言われました。そのくらいなので、まだまだこれからですね。本当に大好きな人なので、僕は一緒にお仕事ができてうれしい限りです。
――あらためて、松本さんのどんなところに惹かれるのでしょう?
新田:松本潤ですよ? 何もしなくても出ているオーラというか、座長の器が見えてしまうというか。本当にすごい人なんです。久しぶりにお会いしましたが、現場を引っ張っていってくれるし、変わらず「すごい人なんだな」と思わせてくれます。
――ちなみに、ふだんの松本さんは?
新田:ふだんは静かで、よく笑う。あとは、ご飯を作ってくれる。すごく面倒見がいいんでしょうね……いつも僕の面倒も見てくれています(笑)。
――新田さんご自身は、どんな気持ちで撮影に臨んでいるのでしょうか?
新田:(松本潤に)託しつつ僕はサポートできればいいかなと思っています。物語的にも“敵役”というわけではないので、同じチームとしてより多くの命を救えればいい。視聴者の方にも、チーム内でのそれぞれの葛藤や奇跡を感じたり、次の日に「病院行ってみようかな」と思ってもらえるように、みんなで頑張っています。
――まだ撮影3日目だそうですが(※6月上旬取材時)、現場の様子はいかがですか?
新田:和やかな雰囲気で、みんながハッピーにお仕事をしています。すごくいい空間なので、僕も現場に行くのが楽しみです。
――演じる役柄との共通点はありますか?
新田:威圧的な父親がいます(笑)。口数の少なさは似ていないけど、「20代前半の頃は、僕も全然喋らなかったな」とも思います。それから僕は行動が早いタイプで、康二郎もパッとデータを見て、答えを導いて、「すぐに対処しましょう」という人なので、そういうところは似てるかなと思います。でも、一番の共通点は親父ですね。
――初めての医師役ですが、手術シーンの練習もされている?
新田:いや、まだなんです。これからきっとあると思うんですが、僕は血が得意じゃなくて。鼻血くらいならいいけれど、外科医ですからね。ただ、昨日手術シーンの映像を見たときに、ふだんなら一瞬で目を背けるところを「仕事としてなら意外と見られるな」とは思いました。そこにいらしていた指導の先生は、僕の血管を見て「注射(針)を刺したくなる」と言っていました(笑)。「いい血管してるね」は、その方とジムのトレーナーにしか言われたことがないです。
――(笑)。役作りについて、監督とはどんなお話をされましたか?
新田:役の印象がとても大事なので、衣装合わせのときからたくさん話をしていました。康二郎はただただ冷静沈着で、口数が少なくて、表情が表に出ない。それだけ聞くと不愛想ですけど、「そうではなくて、ちゃんと人のことを思っている人ですよね」と。監督とは毎シーンごとに「お互いに考えていることは同じですよね?」と確認しながらやっています。
――考えが違うことはないのでしょうか?
新田:ないですね。違ったとしても、最近は僕が(芝居を)変えます。それができるようになるまでにはすごく時間がかかりました。「俺はこう考えているから、変えたくない」という性格だったので。でも、今はそんなことはどうでもいいんです。それよりも、その役が魅力的になるように、と思っています。
――日本の連続ドラマへは久々のご出演ですが、現場で「日本の連ドラだな」と感じたような出来事はありましたか?
新田:最近の作品は公開まで時間が空くものが多かったんですが、今回はリアルタイムで反響を見ることができる。また違う感覚が味わえると思うので、みなさんのリアクションを楽しみにしています。
――SNSで反響をチェックするようなこともありますか?
新田:まったく見ないです。でも、今までたくさんやってきましたからね、InstagramもTwitterも。もうTwitterじゃないのに、ずっと「Twitter」と呼んじゃうくらいで(笑)。最近はファンクラブ内でしかやっていなかったので、久しぶりにSNSにも投稿してみようかなと思います。