吉沢亮らキャスト陣の“全力”は必見 『国宝』と正反対の『ババンババンバンバンパイア』
本作はストーリーの面白さもさることながら、役者たちの美声や、パフォーマンスを思う存分に堪能できるのも魅力だ。冒頭のシーンでは、蘭丸がビルの屋上で自身のキャラクターソング「森蘭丸450歳のうた」を披露する。歌があまりにも上手すぎるし、声も抜群にいいので思わず聴き惚れてしまった。どうやら天は、吉沢亮に二物どころか、三物も四物もギフトを与えてしまったようだ……。
それにしても歌の中で蘭丸は「ババババンパイヤ~! 森蘭丸450歳!」と、自分の名前と年齢をただ叫んでいるだけなのに、迫力がありすぎて笑ってしまった。歌詞はその後も「ノーヒリト、ノーライフ!」と続き、李仁への愛を高らかに熱唱していた。
蘭丸の他にも、バンパイアハンターの坂本(満島真之介)、葵の兄であるフランケン先輩(関口メンディー)、蘭丸の兄である森長可(眞栄田郷敦)がそれぞれキャラクターソングを披露している。キャラクターを演じる満島のラップ、関口のダンベルを持ちながら歌うパフォーマンス、眞栄田のぞくりとする色気が滲む声と、奥行きのある伸びやかな歌声はいずれも素晴らしく、歌唱力も流石の一言だ。
登場人物が多く、それぞれが誰かに恋したり、嫉妬したりと人間関係は複雑なはずなのに、不思議とごちゃごちゃしないのは、登場人物たちが自分の気持ちをセリフ、歌声などで素直に吐露しているからなのかもしれない。
また、喜劇だけではなく、裏蘭丸がかつて愛した織田信長(堤真一)との別れ、兄弟との確執といった悲劇のシーンも……。蘭丸が人の心の隙間に入るのが上手く、器用な一方で、どこか哀愁漂う兄の長可との対比も面白いと感じた。
劇場では、一番笑いから遠い存在に見えた長可の「あるシーン」で、どっと大きな笑いが漏れていた。そして私も、笑いをこらえきれなくなり「ぶほっ」と吹いてしまった。一体どんなシーンなのかは劇場で確かめてほしい。
■公開情報
『ババンババンバンバンパイア』
全国公開中
出演:吉沢亮、板垣李光人、原菜乃華、関口メンディー、満島真之介、堤真一、音尾琢真、映美くらら、笹野高史、眞栄田郷敦
原作:奥嶋ひろまさ『ババンババンバンバンパイア』(秋田書店『別冊少年チャンピオン』連載)
監督:浜崎慎治
脚本:松田裕子
主題歌:imase「いい湯だな 2025 imase × mabanua MIX 」(Virgin Music / ユニバーサル ミュージック)
製作幹事:松竹、テレビ朝日
制作プロダクション:ダーウィン
配給:松竹
製作:「ババンババンバンバンパイア」製作委員会
©2025「ババンババンバンバンパイア」製作委員会 ©奥嶋ひろまさ(秋田書店)2022
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