第78回カンヌ国際映画祭コンペ部門出品 早川千絵監督『ルノワール』予告編&ポスター公開

 6月20日に公開される早川千絵監督による新作映画『ルノワール』の予告編が公開された。

 本作は、長編初監督作『PLAN 75』が第75回カンヌ国際映画祭でカメラドール特別賞を受賞し、同年のアカデミー賞日本代表として選出された早川監督の最新作。日本、フランス、シンガポール、フィリピン、インドネシアの国際共同製作作品となり、第78回カンヌ国際映画祭コンペティション部門への出品も決定した。

 本作で綴られるのは、日本がバブル経済真っ只中だった1980年代後半の夏、闘病中の父と、仕事に追われる母と暮らす11歳の少女・フキの物語。マイペースで想像力豊かなフキは、空想にふけりながら、それぞれに事情を抱えた大人たちと触れ合う。子供特有の感情をとともに、フキが関わる大人たちの人生のままならなさや、人間関係の哀感を温かなまなざしとユーモアをもって描き出す。

 主人公・フキを演じるのは鈴木唯。役柄と同様11歳だった彼女は、多数の候補者の中からオーディションで主演に抜擢された。さらに、フキの母・詩子役を石田ひかり、父・圭司役をリリー・フランキーがそれぞれ演じるほか、フキが出会う大人たちとして、中島歩、河合優実、坂東龍汰らが出演する。

映画『ルノワール』予告編

 公開された予告編は、11歳のフキ(鈴木唯)が「みなしごになってみたい」というタイトルの作文を提出し、母親(石田ひかり)が担任教師に呼び出されるシーンから始まる。自由な発想で時たま大人を驚かせるフキだが、闘病中の父親(リリー・フランキー)をいつも気にかけ、放課後は父親の病室へ通う。そんな日々の中で、フキがそれぞれに事情を抱えた大人たちと対峙する姿が紡がれていく――。同じマンションに住む久理子(河合優実)が、哀しみに暮れた表情でベランダから下を見下ろしていることに気付くフキ。久理子は誰にも話せずにいた秘密をフキに打ち明け始める。またある時は、母が知り合った男性・御前崎(中島歩)や、大学生・薫(坂東龍汰)と出会い、フキの日常が変化していく。「人が死ぬと泣く、どうして悲しいんですか?」と大人に問いかけるフキの声。子どもと大人の間で揺れる、ひと夏が繊細に描かれる。

 あわせて公開されたポスタービジュアルには、楽しそうに踊るフキの様子が大きく据えられている。うれしい、楽しい、寂しい、怖い……はちきれんばかりの感情を抱えたフキは、“哀しみ”を知って確かに大人に近づいていく。

■公開情報
『ルノワール』
6月20日(金)新宿ピカデリーほか全国ロードショー
出演:鈴木唯、石田ひかり、中島歩、河合優実、坂東龍汰、リリー・フランキー
脚本・監督:早川千絵
企画・制作:ローデッド・フィルムズ
製作幹事・配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2025『RENOIR』製作委員会+International Partners
公式サイト:https://happinet-phantom.com/renoir/
公式X(旧Twitter):https://x.com/renoir_JP

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