梅田修一朗×関根明良×内田雄馬、『映画 先輩はおとこのこ』を経て考える“自分らしさ”
『先輩はおとこのこ』はいろいろな“好き”に溢れた作品
ーーこの作品で描かれる「好き」という感情には、さまざまな形があるように思います。人としての「好き」と、恋愛としての「好き」に明確な違いはあると思いますか?
内田:僕は、お2人のことが人として「好き」です(笑)。
関根:ありがとうございます(笑)! 映画の収録は少し間が空いていたこともあって、実はすこし不安や緊張があったんです。でも、集まった時に「3人だったら大丈夫だ!」と思えて。私は、お2人といると「今日も頑張ろう!」って前向きな気持ちになれます。
梅田:僕もです。そういう意味でも、本当にいろいろな「好き」に溢れた作品ですよね。でも、「一緒に何かをしたい」「同じ方向を向いて頑張りたい」という気持ちは、どんな形の「好き」にも共通しているんじゃないかなと。もちろん、好きな人に会った時のドキドキする感じは、本人にしか分からないものだと思います。でも、そこにも「大切にしたい」という気持ちが根底にあって……。うまく言えないけど、どの形の「好き」も、根本的には似ているのかもしれませんね。
内田:「好き」という感情を明確に定義するのは難しいですよね。例えば、まことが竜二に対して抱く「好き」と、竜二がまことに対して抱く「好き」は、まったく同じではないはずなんです。それぞれが違う感情を持っていて、それが「好き」という言葉ひとつにまとめられているだけで、全員同じものではないからこそ、大切な人とは、言葉にしなくても、お互いの「好き」の形がどういうものなのかを理解しようとすることが大事なんだと思います。一概に「好きです」と言っても、その意味するものは人によって違う。それを知るためには、コミュニケーションを取ることが必要なんですよね。
関根:「離れたくない」という気持ちも愛と仮定するなら、この3人はそれぞれがそれぞれにこの「離れたくない」という気持ちを持っているんじゃないかなと。好きという感情の中に、どんどん膨らみ変更していくものもあるのなら、この作品の3人には、それぞれに向ける「好き」が、どの組み合わせでも、どう変化するか分からないくらい、たくさん「もしも……」と想像してしまうくらい、関係性の可能性があるのではと思います。
梅田:恋愛って、その瞬間しか見えなくなってしまうものなのかもしれません。でも、「ずっとその人と一緒にいたい」と最初から思えるのは、もしかすると「愛」なのかもしれませんね。もう、このインタビューでは収まらないくらい深いテーマになってきている気がします(笑)。哲学者や詩人たちが長年向き合ってきた話ですから。
内田:でも、こういった要素があるからこそ、お芝居って楽しいのかもしれません。感情を深く考えて、キャラクターたちがそれぞれの答えを出していく。その過程を、僕たちは作品の中でどう組み上げていくかを考えるんです。「好きって何だろう?」と考えながら、それを形にしていくことが、作品作りなんじゃないかなと思います。
梅田修一朗×関根明良×内田雄馬が“自分らしさ”と感じる瞬間
ーー観客の中には、咲たちと同年代の方も多くいらっしゃいます。「自分らしさ」と周囲の目に関する悩みに共感できる部分も多い本作ですが、皆さんご自身は10代の頃と比べて「自分らしさ」との向き合い方に変化はありましたか? また、自分らしいと感じる瞬間についても教えてください。
梅田:「自分らしさ」は、自分の「好き」や経験によって形作られるものだと思っています。ただ、10代の頃と比べると、「自分って、周りの人との関わりの中で作られるものでもあるんだな」と感じるようになりました。
ーー思わぬ出会いによって、新しい価値観に出会うこともあります。
梅田:そうですね。流されるという意味ではなく、周りの人が認めてくれる部分を素直に受け入れたり、自分では気づけなかったことを教えてもらったり。そうやって、少しずつ「自分らしさ」が広がっていくのかもしれませんね。自分らしいと感じる瞬間は、何かに夢中になっている時。好きなことについて話している時は、特にそう感じますね!
関根:好きなもの、考え方、ちょっとした癖……。咲ちゃんたちのように、たくさんの人と出会い、いろいろな経験を重ねて変わっていった部分もありますが、大きな意味での「自分らしさ」は、意外と昔から変わっていないのかもしれません。むしろ、「変わらないなあ」と思うところが、自分らしさなのかもしれませんね(笑)。
ーー変わっていった部分とはどのような部分なのでしょうか?
関根:10代の頃とは違い、今は「自分を支えてくれる人」の存在に気づくことが増えましたし、そのことに感謝する機会も多くなりました。そんな支えに応えられるよう、これからも精進していきたいと思っています。
内田:「自分らしさ」とは何か、まだ明確な答えは出せていないのですが、「自分の好きなものを好きと言えること」は、とても大切なことなんじゃないかと思っています。僕自身、「あれが好き」というより、「あれは嫌い」という言葉の方が印象に残ってしまうタイプで、そういう意見を気にしすぎて、何も言えなくなってしまうことがよくあります。でも、言葉には力があると信じていて、できるだけ前向きな言葉を使うようにしたいなと思っていて。関わる人たちに、ポジティブな気持ちを届けられる自分でいたいですからね。
■公開情報
『映画 先輩はおとこのこ あめのち晴れ』
全国公開中
キャスト:花岡まこと(梅田修一朗)、蒼井咲(関根明良)、大我竜二(内田雄馬)、早瀬藍(加隈亜衣)、羽川楓(葵あずさ)、早乙女純(梶原岳人)、谷知佳奈子(和久野愛佳)、吉田美代(早瀬雪未)、川崎英一郎(田中正彦)、蒼井雅子(さとうあい)、蒼井裕司(村井雄治)、石川千尋(いしかわひとみ)、本郷博(宮田俊哉)
原作:『先輩はおとこのこ』ぽむ(「LINE マンガ」連載)
監督:柳伸亮
シリーズ構成:冨田頼子
キャラクターデザイン:新海翔斗
プロップデザイン:北山景子
美術監督:安田ゆかり(オリーブ)
美術設定:秋山健太郎(スタジオ Pablo)
色彩設計:鈴木ようこ
撮影監督:上條智也
編集:新沼奈美(グラフィニカ)
3D/CG:齋藤威志(WIRED)
音響監督:本山哲
音響制作:ビットグルーヴプロモーション
音楽:橋本由香利
アニメーション制作:project No.9
配給:アニプレックス
©pom・JOYNET/LINE Digital Frontier・「先輩はおとこのこ」製作委員会
公式サイト:https://senpaiha-otokonoko.com/
公式X(旧Twitter):https://x.com/painoko_anime
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<応募締切>
3月5日(水)