『その電話が鳴るとき』はユ・ヨンソクの代表作確定 スリリングで甘美なロマンスにハマる

 全編を通じてサオンとヒジュが会話を交わす場面が、息を呑むほどスリリングかつエモーショナルで、サオンを憑依させたユ・ヨンソクがとんでもなく蠱惑的でドキドキさせられる。ユ・ヨンソクはどんな役を演じても、そのキャラクターと同化し、悪役も善役もユ・ヨンソクそのものにしてしまう。ユ・ヨンソクをスターダムに押し上げた『応答せよ1994』の高校野球のヒーロー・チルボンも、『賢い医師生活』の天使のような小児外科助教授アン・ジョンウォンも、『浪漫ドクター キム・サブ』の冷徹な外科医カン・ドンジュも、『愛と、利と』の愛に迷う銀行員ハ・サンスも、全てがユ・ヨンソクでなければ演じられないと思わせられる人気キャラクターたちだ。本作のペク・サオンも、間違いなくユ・ヨンソクの歴代キャラクターの人気ランキングを塗り替えることだろう。

 大統領室手話通訳士の試験では、サオンの映像を見て手話をするヒジュが、何度もサオンの映像を繰り返し見ていたことをサオンに「ハマってた」と告げたり、サオンがヒジュに向かって、「正直になっていたら、本音を明かしていたら、今からでも努力すれば平凡な夫婦のようになれるのか」と同時通訳の試験中に言葉を投げかけたりと、本当は相手を愛していることがラブレターのように交わされる。面接の場面では、サオンのヒジュびいきの行動に心がくすぐられてしまう。

 ヒジュの継父イルギョン(チェ・グァンイル)が会長を務めるチョンウン日報のパーティーの場面では、電話をかけたヒジュが自分自身を悪く言うと、サオンの口からはヒジュを庇う言葉が溢れ出す。その言葉は、母ヨニからガスライティングを受け、サオンの両親から虐げられ、辛い思いをしてきたヒジュの心に染み込んでいく。ヒジュが涙を流し、サオンと電話をする中で、サオンは通話しながらヒジュを探していたのだが、ヒジュが電話をする姿を見てしまう。

 ここで場面は変わり、サオンがパトカーの中でヒジュが話す動画を見て、驚愕する展開で次回に持ち越され、次が待ち遠しくてならない。さらに、サオンが嫉妬するヒジュの大学の先輩サンウがどう絡んでくるのか。サンウは拉致犯との関係もありそうで非常に気になるところだ。

 サオンがヒジュに初めて出会った子供の頃から、ヒジュの事をずっと20年間も思い続けていることもわかり、「妻に本気だなんて変態としか思えない」と言われるほどヒジュを溺愛するサオンが、ここからヒジュに本音を伝えていくプロセスにドキドキさせられそうだ。サオンを演じるユ・ヨンソクとヒジュを演じるチェ・スビンは、どれほどスリリングで甘美なロマンスを見せてくれるのだろうか。

■配信情報
『その電話が鳴るとき』
Netflixにて配信中
出演:ユ・ヨンソク、チェ・スビン、ホ・ナムジュン
制作:パク・サンウ、キム・ジウン
(写真はMBC公式サイトより)

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