『イル・ポスティーノ 4K』ヤマザキマリがイラスト描き下ろし 俵万智らの絶賛コメントも
11月8日より公開される『イル・ポスティーノ 4Kデジタル・リマスター版』の公開に寄せて、ヤマザキマリの描き下ろしイラストが公開された。
本作は、祖国チリを追われた実在の詩人パブロ・ネルーダ(フィリップ・ノワレ)が、ナポリ湾のカプリ島に身を寄せた史実に基づき、名声に輝く偉大な詩人と、そんな煌びやかな世界とは全く縁のなかった内気な郵便配達人(マッシモ・トロイージ)との間に芽生えた友情を描いたイタリア映画。第67回アカデミー賞で作品賞を含む5部門にノミネートされ、作曲家ルイス・エンリケス・バカロフの楽曲がオリジナル作曲賞を受賞した。
今回、イラストを描き下ろしたヤマザキは、1980年代に10代で単身イタリアに渡りフィレンツェに留学、その後長きにわたるイタリア暮らしの経験から、エッセイ漫画や『テルマエ・ロマエ』を生み出してきた。イラストに描かれたのは、郵便配達人に採用された途端に郵便配達人の制帽を被るマリオに、父親が「もうその恰好?」と突っ込む場面。「制帽を頭の形になじませている」と答え、採用された喜びを顔に出さないマリオの内気さがよく表れているシーンだ。そんな内気なマリオは、初めは緊張しながらネルーダへの郵便を配達していたが、ネルーダの詩集を読むうちに言葉のパワーに目を開かれ、自らの生き方や社会についても考えるようになる。ネルーダもまたマリオの無垢な感性に刺激され、2人の間に友情が育まれていく。
ヤマザキは、「人の感性を解き放つ『言葉』というものの意味を、奥深く、丁寧に捉えた作品。何度見ても色褪せず、未来に残る名作」とコメントを寄せた。
ほかにも、俵万智、池澤夏樹ら著名人によるコメントや短歌が到着。あわせて、新たに制作された20秒版予告編も公開された。
コメント
俵万智(歌人)
詩の力、詩のまた無力寄せ返す波うちぎわのイルポスティーノ ――俵万智
詩は水なんだと思った。
美しくて、命のために必要で、時に政治の種になる。
そして誰のものでもある。
ヤマザキマリ(漫画家・文筆家・画家)
人の感性を解き放つ「言葉」というものの意味を、奥深く、丁寧に捉えた作品。何度見ても色褪せず、未来に残る名作。
池澤夏樹(作家・詩人)
偉大な詩人が若者に詩の原理を教える。
若者は自分なりに詩を書いて、それで恋が実る。
風景も脇役もよく、スクリーンに楽しさがあふれる。
小松亮太(バンドネオン奏者)
輝くバンドネオンの音色。ガルデルの歌。ノスタルジーに駆られタンゴを踊る南米人。どれも印象的だが、マッシモ・トロイージが命を賭して演じた弱き男、マリオの純粋さこそ何よりも美しい。
長島有里枝(アーティスト)
生まれて初めて詩を読んだ主人公マリオが詩人に感想を伝えるシーンに、本作の美しさが凝縮している。
渡辺早織(俳優・タレント)
まるで別世界の美しい景色の中で、
彼らの真っすぐな心と数々の詩が優しく胸に迫り続ける至高の作品
■公開情報
『イル・ポスティーノ 4Kデジタル・リマスター版』
11月8日(金)より、角川シネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMA ほか全国順次公開
出演:マッシモ・トロイージ、フィリップ・ノワレ、マリア・グラツィア・クチノッタほか
監督:マイケル・ラドフォード
原作:アントニオ・スカルメタ
音楽:ルイス・エンリケス・バカロフ
配給:セテラ・インターナショナル
1994年/イタリア・フランス/イタリア語、スペイン語/原題:Il Postino/109分
©R.T.I. S.p.A.–Rome, Italy, Licensed by Variety Distribution S.r.l–Rome, Italy, All Rights reserved.
公式サイト:ilpostino4k.jp