『素晴らしき哉、先生!』りおと恩師の“絆”に涙 生田絵梨花が体現するリアルな教師像

 第6話は、かなりしんどい部分はあったが、そのぶん温かさに触れられた回でもあった。ゲスト出演の金田明夫が演じたのは、りおが「人生でいちばん尊敬する人」と話す恩師の大森。「教師は、尊敬される人でないと」と追い詰められているりおに、大森は「いいんだぞ、完璧じゃなくて。失敗したっていいんだよ。ダメダメでいいんだ。一生懸命やっていれば。生徒のこと、ちゃんと思ってさえいれば。間違いがあってもいい。教師だって、人間なんだよ」と声をかけた。

 りおが、どうしてこんなにも教師の仕事を頑張れるのか? その答えが、大森の姿に詰まっているような気がした。りおはきっと、大森の存在に救われたことがたくさんあったのだろう。人間として心から尊敬しており、「自分も先生のような先生になりたい」と、教師を目指すようになった。ちゃんと指針があるからこそ、めげそうになっても踏ん張り続けられるのかもしれない。

 学校に通っている間、毎日のように生徒は教師に会う。しかし、卒業してしまうと、その関係性がプツンと途絶えてしまうことが多い。教師側から「会おうよ」と連絡するのはなかなか難しいため、「あいつ、どうしてるかなぁ」なんて思っても、“待ち”の姿勢をキープするしかないのだ。

「いつでも来なさい。教師にとっていちばんの喜びは、卒業生が訪ねてくることなんだから」

 大森の言葉を聞き、お世話になった先生たちの顔を思い出して、涙がこぼれた。卒業してから母校に帰ったとき、ちょっぴり怖かった先生も、何かと口うるさくて苦手だった先生も、在校中には見たことがなかったような柔らかい笑顔で迎えてくれて。「あの頃は言えなかったけどさぁ」なんて話をしてくれるものだから、「先生も人間なんだな」と思ったり。

 『すばかな先生』を観ていると、先生たちに会いたくなる。もっと、話をすればよかったなぁという後悔が湧いてくる。もしも、いま学生の人がいたら、先生たちとたくさん話をしてほしい。“聖職”と呼ばれることもある教師は、住む世界が違う人で、自分たちの気持ちを分かってくれるはずがない……と思ってしまうかもしれないけれど、大丈夫。“先生だって、人間だから”。

■放送情報
『素晴らしき哉、先生!』
ABCテレビ・テレビ朝日系にて、毎週日曜22:00〜放送
出演:生田絵梨花、茅島みずき、鈴木仁、橘優輝、永瀬莉子、矢吹奈子、小宮璃央、小栗有以、葉山奨之、桐山漣、浜谷健司、鈴木紗理奈、田口浩正、小関裕太、萬田久子、柳沢慎吾、田中美佐子、高橋克典
脚本・演出:宅間孝行
音楽:コトブキミュージックラボ
主題歌:竹内まりや「歌を贈ろう」(ワーナーミュージック・ジャパン)
企画・プロデュース:清水一幸(ABCテレビ)
プロデューサー:松崎智宏、藤田洋平(ABCテレビ)、川西琢、倉木義典、矢内達也(エー・ビー・シーリブラ)
制作協力:エー・ビー・シーリブラ
制作著作:ABCテレビ
©︎ABCテレビ
公式サイト:https://www.asahi.co.jp/subakana_sensei/
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