『Missナイト & Missデイ』ミジン&ジウンが迎えた甘い結末 “有限の時”を生きる意義とは

 浦島太郎は玉手箱を開けたらおじいさんになってしまったが、Netflix韓国ドラマの『Missナイト & Missデイ』では、主人公が昼夜で20代と50代を行き来しながら成長する。そんな奇想天外な物語が、「今この時間のすべてに意味がある」ということを教えてくれて幕を閉じた。本稿では第15話と、最終話を中心にご紹介したい。(以下、ネタバレあり)

 猫を助けたことをきっかけに、昼夜で20代と50代を行ったり来たりすることになった、Apinkのチョン・ウンジ演じる20代の就活浪人生、イ・ミジン。ミジンは、昼の間はイ・ジョンウン演じる50代のイム・スンとしてソハン地検のシニアインターンに合格し、チェ・ジニョク演じるケ・ジウン検事の下で働くことになる。

 ミジンは、父ハクチャン(チョン・ソギョン)を助けるために、ウンシム(ペ・ヘソン)の指定した場所に駆けつけるも、ウンシムに背後から殴打され意識を失う。一方その頃、ミジンの友ガヨン(キム・アヨン)から、ミジンが危険な状態にあることを知らされたチュ捜査官(ユン・ビョンヒ)は、ジウンがいるウンシムの茶房に知らせに走る。知らせを聞いたジウンは、血相を変えてすぐに捜索隊を手配し、ミジンの元に急行する。

 目覚めたミジンは、ウンシムの隙をついて逃走し、気づいたウンシムに追われて2人はもみ合いになる。ミジンが危機一髪になった時、ウンシムの様子がおかしくなるのだが、彼女はミジンの叔母スンの幻に怯えていた。

 ミジンを探すジウンは、前方からふらふらと歩いてくるミジンを見つけ、彼女の元に駆け寄るが、その時朝日が差し込み、ミジンはスンに変身した姿で倒れてしまう。ジウンは、スンを抱き起こしながら目の前で起きたことに呆然とする。

 捜索隊がジウンの母とミジンの叔母スンの白骨化した遺体を見つけ、ジウンは母の指に自身があげた指輪がはめられているのを見て号泣する。一方、病院で目覚めたスンは、自分を襲うウンシムの様子がおかしくなり、「なぜここに? 確かに殺したはず」と慄く姿を思い出す。そして、脳裏に幼少の頃のミジンが若き頃のスン(ペク・ソミ)におぶわれながら、「今度ミジンが危険な時は叔母さんが助けてあげる」「私はどこにも行かない、いつも一緒よ。ミジンを助けにどこからでも駆けつける」と約束したことを思い出して嗚咽する。

 ミジンは、事件が解決したらスンに変身しなくなると思っていたが、20代と50代を行き来する体質は変わらなかった。ミジンは、叔母イム・スンになりすましていたことをジウンに話そうとするが、なかなか話せない。そんなミジンの姿を見たジウンは、ミジンがスンに変身するのを目撃したことを彼女に告げる。この場面でのミジンとジウン、双方の想いを言い合うところがなんとも辛い。好きだから言えなかったというミジンと、好きだから、守りたいからこそ言ってほしかったジウン。恋人同士によくある互いを想い合う気持ちが強いゆえのすれ違いだ。

 「(ミジンを)守れなかったことをどれだけ後悔して自分を責めたか」「必ず守ると約束したのになすすべもなく、自分自身が情けなかった」と自分に腹を立てるジウンに、涙を流しながらミジンは、「自分でしたことの責任を取ります、別れましょう」と言う。ミジンは、ジウンが彼女に合わせて捜査を終結させたことを気に病み、「迷惑をかけてまであなたの隣にいたくない」と彼に別れを告げる。ここであっさり引き下がらない、“エリート”ジウンの返しがいい。ミジンに向かって、「なら私は? 初めて人を好きになったんです、どう責任を取る気で?」と言うのだから、ミジンも何も返せなくなり涙を流す。好き同士なのだから別れられないのは至極当然だ。

 ミジンは、元に戻りたいと願いながらも、スンのまま年老いていくかもしれないと思い、健康診断を受けたり、スポーツクラブに通ったり、念のために老人ホームを調べようとする。ミジンがスンとして現状を受け入れて、「今できること」をしていく姿にホロリとさせられる。

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