『インサイド・ヘッド2』監督をなぜ続投しなかった? ピクサーCOOピート・ドクターが語る

「オリジナル作品とシリーズものの比率は1:1が理想的」

ーー以前ピクサー・アニメーション・スタジオに取材に行ったときに印象的だったのが、働かれているスタッフの皆さんがピクサーの制作環境について声を揃えて大絶賛していることでした。

ドクター:パンデミックを経て、アニメーションもリモートで作れるようになりましたが、やはり対面でコミュニケーションを取りながら一緒に作っていく作業が大事だと僕は思っています。どうしても僕や監督のような名前の立っている人に注目が行きがちですが、実際には100人以上のスタッフが一緒にひとつの作品を作っているわけですから。実際に訪れていただいたならわかると思いますが、ピクサーのスタジオも実際にそういう作業をすることを前提に建物が作られているんですよね。みんなオタクなので、できればメールで済ませたい人が多いのですが(笑)、ご飯を食べたりトイレに行ったりするためには建物の中央のスペースを通らなければいけない造りになっているんです。その過程でも人と関わる必要性が出てくるので、そういう環境も非常に素晴らしいと思いますね。

ーー今後のピクサーのラインナップには、『星つなぎのエリオ』のようなオリジナル作品と『トイ・ストーリー5(原題)』のようなシリーズものが控えています。CCOの立場から、ピクサーの今後についても教えてください。

ドクター:いま言っていただいたように、オリジナル作品とシリーズもののコンビネーションになってくると思います。重要なのは、自分たちがどういうことに関心があるのかということです。作品自体がある種の生命体でもあり、自ずと出来てしまうような側面もあるので、オリジナル作品が多い時期だったり、続編ものが多い時期も出てきてしまうのですが、オリジナル作品とシリーズものの比率が1:1というのが理想的なバランスだと思います。オリジナル作品はヒットするかどうかがまったく予想できないものではありますが、そもそもオリジナル作品を作らないと続編も生まれないわけですからね。

■公開情報
『インサイド・ヘッド2』
全国公開中
監督:ケルシー・マン
製作:マーク・ニールセン
製作総指揮:ピート・ドクター
日本語版声優:大竹しのぶ、多部未華子、横溝菜帆、村上(マヂカルラブリー)、小清水亜美、小松由佳、落合弘治、浦山迅、花澤香菜、坂本真綾、武内駿輔、花江夏樹、中村悠一
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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