『虎に翼』岡田将生演じる航一のミステリアスな色っぽさ 東京から新潟での変化を読み解く

 さらに航一は、定期的に新潟市の本所へ来ることになった寅子に、お気に入りの喫茶店「Lighthouse」を寅子に紹介した。また、寅子が杉田たちがやっている麻雀を覚えようとしている時も、ちょっと嬉しそうな顔を見せた後、その浮かれ具合がバレないように寅子に麻雀ができるのかを聞いていた。寅子に対しては“線引きモード”をゆるくしている航一はいつの間にか微笑む姿を見せるようになり、寅子が不躾にも戦時中、航一の身に何があったのかを聞いた時も「秘密です」とはぐらかした。その仕草ひとつひとつがミステリアスで色っぽい。

 最初に寅子と出会った時と比べると航一は、接しやすくなり、より魅力的になっている。改めて比べてみるとその変わりように驚くくらいだ。だがこれまでの岡田の演技は、どこかで大きく変わったというわけではなく、寅子と出会ってゆっくりと変化していく航一の心のようにじわりとじわりと細かいところが変化していった。「総力戦研究所」にいた自分の過去を他人に明かした航一は、人生の大きな転換期を迎えたと言っていいだろう。岡田はそんな航一を今度はどのように演じるのだろうか。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『虎に翼』
総合:毎週月曜〜金曜8:00〜8:15、(再放送)毎週月曜〜金曜12:45〜13:00
BSプレミアム:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜8:15〜9:30
BS4K:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜10:15~11:30
出演:伊藤沙莉、岡田将生、仲野太賀、森田望智、桜井ユキ、田中真弓、羽瀬川なぎ、田口浩正、遠山俊也、望月歩、堺小春、岡部ひろき、片岡凜、竹澤咲子、三山凌輝、高橋克実
作:吉田恵里香
語り:尾野真千子
音楽:森優太
主題歌:米津玄師「さよーならまたいつか!」
法律考証:村上一博
制作統括:尾崎裕和
プロデューサー:石澤かおる
取材:清永聡
演出:梛川善郎、安藤大佑、橋本万葉ほか
写真提供=NHK

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