アンソニー・チェン監督『国境ナイトクルージング』10月公開 是枝裕和コメント入り特報も

 第96回アカデミー賞国際長編映画賞のシンガポール代表となった映画『燃冬(原題)』が、『国境ナイトクルージング』の邦題で10月18日より公開されることが決定。あわせてティザービジュアルと特報映像が公開された。

 本作は、第76回カンヌ国際映画祭ある視点部門に出品された、『熱帯雨』『イロイロ ぬくもりの記憶』などのアンソニー・チェン監督が手がけた人間ドラマ。

 舞台は、文化が混じりあい、至るところに漢字とハングルが混在している、中国と朝鮮半島の国境にある町、延吉(えんきつ)。そこで男女3人が偶然出会い、冬の延吉をクルーズ(ぶらぶらと観光)することで起こる心の変化が描かれていく。それぞれの事情で孤独と葛藤を抱え、やり場のない寂しさに閉じ込められていた彼らだったが、磁石のように引き寄せられ、数日間を気ままに過ごす。深入りせずに、この瞬間をひたすら楽しむ、それが暗黙のルールだ。過去も未来も忘れ、一緒にいるだけで凍り付いた心はほどけていくのだった。

 プロデューサーを務めたのは、ティルダ・スウィントン主演作『MEMORIA メモリア』、チェン監督作『熱帯雨』のメン・シェ。撮影は『少年の君』のユー・ジンピンが担当。ロンドン・カレッジ・オブ・ミュージックを首席で卒業し、シンガポールと日本を拠点に活動するアーティストのキン・レオンが音楽を手がけた。

 主演を務めるのは、『少年の君』のチョウ・ドンユイ。チェン監督とは本作が2度目のタッグとなり、脚本のない段階で監督からオファーされ快諾した。極寒の町に足止めされるハオフォン役には、人気シリーズ『唐人街探偵』で天才探偵を演じたリウ・ハオラン。増量と髭を伸ばす役作りで、心をどこかに置き忘れたエリートを静かに演じている。ナナに片思いするムードメーカーのシャオには、Netflix映画『流転の地球』、『あなたがここにいてほしい』のチュー・チューシアオが抜擢された。

公開されたティザービジュアルには、ハオフォン、ナナ、シャオが夜の町でどこかを見ている様子が収められた1枚の写真が使われている。光を照らしながら3人が見つめる先には何があるのか。

第96回アカデミー賞国際長編映画賞シンガポール代表『国境ナイトクルージング』特報

 あわせて公開された特報映像は、ナナが駐車場の中央で「今夜 予定ある?」と、話しかけているような場面から始まり、呑み、走り、笑いあう3人の姿が映し出されている。最後には「本当に大好きな作品」と本作を絶賛した是枝裕和監督からのコメントも収録されている。

 また、7月26日午前0時より、本作のムビチケオンラインの発売が決定。ネオンの光が流れるように写り、原題の『燃冬』、英題の『The Breaking Ice』の文字が入った海外ビジュアルのスマホ壁紙が購入者特典となっている。

■公開情報
『国境ナイトクルージング』
10月18日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開
出演:チョウ・ドンユイ、リウ・ハオラン、チュー・チューシアオ
監督・脚本:アンソニー・チェン
提供:ニューセレクト
配給:アルバトロス・フィルム
2023年/中国・シンガポール/中国語・一部韓国語/100分/1:2.00/5.1ch/原題:燃冬/英題:The Breaking Ice/日本語字幕:本多由枝/PG-12
©2023 CANOPY PICTURES & HUACE PICTURES
公式サイト:kokkyou-night.com
公式X(旧Twitter): @kokkyounight

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