泉谷星奈、倉田瑛茉、竹澤咲子、永尾柚乃 “次の芦田愛菜”となる天才子役たち

 現在のテレビドラマは高い表現力を持った子役が多数活躍しており、安達祐実や芦田愛菜に匹敵する天才子役がいつ爆誕してもおかしくない状態となっている。

 最有力候補は『海のはじまり』(フジテレビ系)に出演している泉谷星奈だろう。

泉谷星奈

『海のはじまり』©フジテレビ

 『海のはじまり』は月9(フジテレビ系月曜21時枠)で放送されている生方美久脚本のドラマだ。20代後半の青年・月岡夏(目黒蓮)が、大学時代に別れた元恋人の南雲水季(古川琴音)が一人で育てていた自分の娘と父親として向き合っていく姿を描いた物語で、泉谷は、水季の娘・海を演じている。

 泉谷は生方美久が昨年執筆したドラマ『いちばんすきな花』(フジテレビ系)で、今田美桜が演じる美容師の深町夜々の幼少期の姿を演じ、今田とそっくりだと話題になった。

 現在は7歳だが、0歳の時からタレント事務所に所属している。テレビドラマの出演作は多く、NHK大河ドラマ『青天を衝け』、『鎌倉殿の13人』といった数々の話題作に出演している。フォトジェニックな愛くるしさが最大の武器だろう。

 『いちばんすきな花』では今田美桜、『厨房のありす』(日本テレビ系)では門脇麦が演じた演じるヒロインの幼少期の姿を演じたが、このまま成長すると彼女たちの系譜に連なる役者になるだろうと予感させる将来性がある。

『海のはじまり』©フジテレビ

 これまでは主演女優の幼少期の姿やゲスト出演が多かったが、『海のはじまり』は主人公の娘役というレギュラー出演となっている。目黒蓮、有村架純、大竹しのぶ、池松壮亮といった俳優が最高の芝居を見せる中、一歩もひけをとらない芝居を見せており、もう一人の主人公と言っても過言ではない存在感を示している。

 今のところ彼女の役割は、物語の重たい空気を和らげる一服の清涼剤といった感じで、子供らしい無邪気な振る舞いや父親の夏に対して全幅の信頼を寄せてぐいぐいと距離を詰めてくる姿が作品の救いとなっている。その意味で、子役に求められる期待に完璧に応えていると言えるだろう。

 とは言え、繊細な心理描写に定評のある生方ドラマである。海の内面も今後さらに掘り下げられる可能性は大きい。その時、泉谷がどんな芝居を見せてくれるのか楽しみである。

倉田瑛茉

『西園寺さんは家事をしない』©TBS

 一方、現在『西園寺さんは家事をしない』(TBS系)に出演している倉田瑛茉は、『下克上球児』(TBS系)に続いて2作目のドラマ出演だが、本作で一気に天才子役の座に躍り出そうな気配がある。

 本作は、アプリ制作会社でプロダクトマネージャーとして働く西園寺一妃(松本若菜)が、天才エンジニアでシングルファーザーの楠見俊直(松村北斗)の家族と同居することになるハートフルラブコメディ。倉田は楠見の娘・ルカを演じている。

『西園寺さんは家事をしない』©TBS

 ルカはマイペースで覇気がなく、あまり愛想がよくない子供だが、その覇気のなさが逆にかわいくて目が離せない。テンションが低い必要以上に感情を露わにしない静かなトーンの芝居は今のテレビドラマのトレンドだが、それは子役にも当てはまるのだろう。その意味で倉田の必要以上に子供らしく振る舞おうとしない演技こそが、今後の子役の演技のスタンダードになる可能性も大きいのではないかと思う。

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