愛と謎に包まれた“幸福の画家”とその妻の生涯が 『画家ボナール』予告編&場面写真公開

 第76回カンヌ国際映画祭カンヌ・プルミエールに正式出品されたフランス映画『画家ボナール ピエールとマルト』の公開日が9月20日に決定し、あわせて予告編と7点の場面写真が公開された。

 印象派と、抽象を探求したポスト印象派との間を結ぶ架け橋とみなされているフランス人画家ピエール・ボナール(1867年〜1947年)。彼は大胆な色彩と日常の些細な事象を好んで描いたことで知られ、友人の画家たちと一緒に、1888年に「ナビ派」として知られるグループを形成した。彼らは、ポール・ゴーギャン、ポール・セザンヌ、葛飾北斎の先進性を称賛し、ボナール自身も日本美術からの影響を多くの作品で示していたことでも知られる。

 本作では、そんな彼と、彼の生涯の伴侶となるマルトの半生が描かれる。マルトは“幸福の画家”ピエールにとって、単なるミューズをはるかに超えた存在となるのだが、2人の関係は謎に満ちていた。当時の常識からはかけ離れた破天荒な愛の形を営みつつも、生涯をかけ共同で充実した芸術的成果を生み出していく。

 『セラヴィ!』『夜明けの祈り』のヴァンサン・マケーニュがピエールを演じ、妻・マルト役は『ヒアアフター』『少年と自転車』『メビウス』『幻滅』などのセシル・ドゥ・フランスが演じた。『5月の花嫁学校』『ルージュの手紙』などのマルタン・プロヴォ監督が務めた。

映画『画家ボナール』予告

 公開された予告編では、 名前も知らないまま惹かれあったピエール・ボナール(ヴァンサン・マケーニュ)と、のちに彼の人生の伴侶となるマルト(セシル・ドゥ・フランス)の生涯が切り取られている。「君なしでは生きられない」というピエールの一言から、自然に囲まれた家で紡ぐ、自由で色彩に充ちた日常が始まっていく。その毎日は、 破天荒でありながらも創造的なものだったが、ボナールの代表作「ベッドでまどろむ女(ものうげな女)」のモデルも務めたマルトへ羨望の眼差しを向けるモデル・ルネが現れ、その関係にも変化が訪れる。 映像では、遺作「花咲くアーモンドの木」の絵画を仕上げるボナールの姿に“アーモンドの白い花が咲くとき心よりきみを慕う”という言葉が添えられ、年老いるまで深い絆で結ばれていた2人の人生の一片が垣間見える。

 7点の場面写真では、クロード・モネをはじめとした絵画・美術界の人々との交友を窺わせる文化人としての一面を捉えたものや、バスタブに横たわるマルト、ルネをモデルに絵を描く様子などが捉えられている。

■公開情報
『画家ボナール ピエールとマルト』
9月20日(金)より、シネスイッチ銀座ほか全国ロードショー
監督:マルタン・プロヴォ
出演:セシル・ドゥ・フランス、ヴァンサン・マケーニュ、ステイシー・マーティン、アヌーク・グランベール、アンドレ・マルコン
配給:オンリー・ハーツ
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ
2023年/フランス/フランス語/123分/1:1.85/5.1ch/原題:Bonnard, Pierre et Marthe/日本語字幕:松岡葉子
©︎2023-Les Films du Kiosque-France 3 Cinéma-Umedia-Volapuk 

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