『東京タワー』松田元太に修羅場が訪れる 『おいハンサム!!』とは全く別のMEGUMIの母親役

 『東京タワー』(テレビ朝日系)第6話のラストはまさに地獄絵図だ。耕二(松田元太)を取り巻く女性3包囲網が形成され、いよいよ逃げ場はない。

 悲劇の始まりは、喜美子(MEGUMI)との情事を娘の比奈(池田朱那)に目撃されただけでなく、その動画を撮影されてしまったことだ。比奈はこの動画を流出させない代わりに、“自分と付き合え”、“自分と寝ろ”と耕二への要求をエスカレートさせていく。ついには大学の授業にまで潜り込んで来て、耕二の自宅の合鍵まで作って家に居座り、彼に迫る。もはやストーカーだ。

 耕二に嫌がらせをするも、彼は本気で謝るばかりで、自分を簡単には抱かない。そのことがますます彼がいかに喜美子を大切にしていたのかその本気度を強調し、比奈をイラつかせる。彼らの不倫という関係値の中にあったピュアな結びつきが示唆され、より一層受け入れ難く許せなくなるのだろう。

 耕二が簡単に自分になびいてくれれば、それが喜美子への最大の復讐になるとわかっている比奈は、彼に執着しているのではなく、その先にいる母親を罰することに執着しているのだ。

 確かに、母性と女性的なセクシャルな魅力というのはなかなか共存し難いものとされている。子どもが家庭内では知り得ぬ母親の“女の顔”を目の当たりにするのはそりゃあかなりのインパクト、ダメージを食らうものだろう。それが父親との間であっても嫌悪感を示す人もいるであろう中、20歳以上歳の離れた自分の家庭教師が相手となれば、なおのことだろう。特にここ日本では、家庭内に、家族の中に、恋愛の要素や匂いを持ち込むことを良しとしない風潮がある。

 喜美子役を演じるMEGUMIは、第1話の頃は本当に家庭という鳥籠の中で生きる囚われの鳥で、淡々と日々をこなす母親、妻としての顔しか出ていなかった。それが耕二との情事を重ねれば重ねるほどに、最初は遠慮もあったところからどんどん欲やわがままが出て、女性としての顔や甘えを見せることが増えていく。その変化が、彼女の中で耕二の存在感が増していくさまを物語っていた。

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