『ミス・ターゲット』すみれが結婚詐欺師になった理由　宗春の存在が“幸せ”のきっけかに？

　一方のすみれは、そんなことじゃ幸せを感じられない。「わたしが、あの和菓子屋を、和菓子屋界のイーロン・マスクにしてあげる！」と張り切り、店の経営計画書まで作り上げた。玉の輿を狙っているのに、最初からお金を持っている人と結婚するのではなく、自分がお金持ちに育てていく。すみれの考えは、令和っぽくて新しい。

　最初は、「お金を稼ぐために言っているのではないか？」とすみれに疑いの目を向けていた宗春も、その根底に“草餅をたくさんの人に食べてもらうことで、もっと幸せになる人を増やしたい”という願いがあると知り、次第に心を許していく……。

　しかし、忘れてはいけないのが、宗春の父・竜太郎（沢村一樹）が渋谷南署の刑事であり、詐欺を扱う知能犯係に所属していること。しかも、竜太郎には結婚詐欺のせいで心を病んでしまった友人がいるため、ミス・ターゲット（＝すみれ）のことを捕まえようと意地になっている。

　すみれが結婚詐欺師になったのは、ただ男を騙すためだけじゃない。母を追い詰めた闇金業者・黒崎（小木茂光）への復讐を果たすために仕方なくなったわけだが、もう元には戻れなくなってしまった。

　今のすみれは、幸せを見つけるセンサーが鈍ってしまっている。宗春が作った草餅を食べて、「美味しい」と思えるのだって、幸せなこと。それに、弥生（筒井真理子）や萌（鈴木愛理）など、すみれの幸せを全力で願ってくれる仲間だってそばにいる。

　果たしてすみれは、目の前にある小さな幸せに気づくことができるのだろうか。そのきっかけを与えてくれるのは、宗春のような気がしている。

■放送情報
『ミス・ターゲット』
ABCテレビ・テレビ朝日系にて、毎週日曜22:00〜放送
出演：松本まりか、上杉柊平、鈴木愛理、川西賢志郎、小槙まこ、田中真琴、八嶋智人、筒井真理子、沢村一樹
脚本：政池洋佑
演出：植田尚、日暮謙、近藤幸子
プロデューサー：山崎宏太、南雄大（ABCテレビ）、山本喜彦、神通勉、小路美智子（MMJ）
主題歌：家入レオ「ワルツ」（ビクターエンタテインメント）
音楽：富貴晴美
制作協力：MMJ
制作著作：ABCテレビ
©︎ABCテレビ
公式サイト：https://www.asahi.co.jp/misstarget/
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