森本慎太郎の“よくしゃべる”演技が再び? 『街並み照らすヤツら』はクセ強会話劇に期待

 その上でキャスト陣を見てみると、特に男性陣は、クセが強く、言葉を巧みに操ることができそうな強者揃いであることがわかる。正義を演じる森本は、『だが、情熱はある』(2023年/日本テレビ系)の山里亮太役や、『ZIP!』 の朝ドラマ『泳げ!ニシキゴイ』(2022年/日本テレビ系)の長谷川雅紀役を演じ切ったことからもわかる通り、とにかく「しゃべる人」を演じることに長けている。

 正義の幼なじみである荒木を演じる浜野謙太は、NHKの大河ドラマ『どうする家康』(2023年)で浜野は織田信長(岡田准一)の次男・織田信雄を演じていた。信雄は公式サイトの登場人物紹介にも「長いものに巻かれ続ける、父と真逆の人生」とあったほど、なんだかパッとしなかった人物。父ほどの野心も才能もないが、落ちぶれたくもない。言うなれば最も人間味のある信雄を浜野が演じると、なぜか不思議な説得力を感じた。

 一方、商店街で酒店を営む深川龍一を演じるのは皆川猿時。『吉祥寺ルーザーズ』(2022年/テレビ東京系)で皆川は、聡(増田貴久)や桜(田中みな実)らが住むことになったシェアハウスの「オーナー代理」として突然、トイレから現れた犬居を演じている。その派手な出立ちとなんだか挙動不審のまま話す姿は怪しさ満点で、登場回数は少ないにもかかわらず、鮮烈な印象を残している。そして地元商店会の会長で、地域一帯の大地主である大村を演じるのは船越英一郎。船越は最近では、『トレース〜科捜研の男〜』(2019年/フジテレビ系)や『推しの王子様』(2021年/フジテレビ系)で相手を怯ませるような威圧感を生かした演技を見せている。

 このようなキャラの強い役者たちが演じる会話劇はなんだかとてもドタバタしたものになる予感がする。一体どんな展開になるのだろう。

 一方でこのメンツがドタバタしてしまっては、“ツッコミ”が不在となってしまう気もする。ということは、正義の妻を演じる森川葵や龍一の娘・莉菜を演じる月島琉衣がその役を担うことになるのだろうか。森川はまだ、『大奥』(2024年/フジテレビ系)で演じた豪華な着物を身に纏いつつ、クールな表情をしていたお知保役の記憶が新しく、月島は現在放送中の『からかい上手の高木さん』(TBS系)で隣の席の男子をひたすらにからかう、高木さんを演じている。そんなふたりに“ツッコミ”のイメージはないが、物語の中でどのような役割を果たしていくことになるのだろう。もちろん、この予想が大はずれになることも十分にあり得る。ワクワクしながら放送を待つことにしたい。

■放送情報
土ドラ10『街並み照らすヤツら』
日本テレビ系にて、4月27日(土)スタート 毎週土曜22:00〜放送
出演 : 森本慎太郎(SixTONES)、月島琉衣、浜野謙太、吉川愛、曽田陵介、萩原護、宇野祥平、皆川猿時、森川葵、船越英一郎
脚本:高田亮、清水匡
音楽:大野宏明
監督:前田弘二、鯨岡弘識、中里洋一
プロデューサー:藤森真実、榊原真由子、宇田川寧、妙円園洋輝
チーフプロデューサー:田中宏史
制作協力:ダブ
製作著作:日本テレビ
©日本テレビ
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