『となりのナースエイド』ラスト30秒のどんでん返し 澪と大河が選んだそれぞれの道

 澪にとっての許す相手とは、唯を殺した火神。そんな折に、唯が生前に新聞記者として執筆していた火神の業績についての記事が公開になる。唯の上司の話では、彼女は火神を尊敬していたというのだ。唯は火神のことを恨んでいたのではなく、父・晃(和田聰宏)の夢を形にしてくれたと感謝していたのだと。これまでは唯のシリアスな面が前に出ていたが、澪の記憶に蘇ってくるのは、自分以上に前向きバカだった姉の明るい一面。考え方、捉え方が変わるというのは、それぞれの「裏の顔」を描いてきた本作のテーマをさらに覆す、気持ちの良い表の顔と言える。

 研究自体に罪はない。澪はナースエイドを続けながら、外科医としてオームス開発にも携わる道を進んでいくことを決めた。玲香(瀧本美織)とともに、澪はオームスのトレーニングを重ねていく。一方で、大河は星嶺医大を辞め、再び海外に渡ることに。そこでも腫瘍が瞬く間に増大していくシムネスの恐ろしさに直面していた。回想としてインサートされるのは、唯が亡くなる直前に火神へと問いかける場面。「教えてください。なぜ、父は火神細胞を公表しなかったんですか? もしかして、火神細胞がシムネス……」と、火神が唯の口を封じるかのようにして回想は幕を閉じ、大河が「シムネスは進化している」と口にする。まさに裏の裏。真実が再びベールに包まれたところで物語は幕を閉じるのだ。

 最終回の放送を受けて、『となりのナースエイド』の原作者である知念実希人はSNSにて、「というわけで、原作者の私はとりあえず、続編の小説を書きます!」「また、川栄李奈さん演じる澪と、高杉真宙さん演じる大河にいつか会えますように」「ご期待ください!」と綴っている。唯が辿り着いていた火神細胞とシムネスの真実についてはその続編で明らかになるのだろう。その先には、きっとドラマとしても。澪と大河のイチャイチャの続きもそうだが、前向きバカなナースエイドとして患者に笑顔で寄り添う澪にまた会いたい。

■配信情報
水曜ドラマ『となりのナースエイド』
TVer、Huluにて配信中
出演:川栄李奈、高杉真宙、水野美紀、矢本悠馬、吉住、古田新太、小手伸也、織田梨沙
脚本:オークラ
音楽:井筒昭雄
演出:内田秀実、今和紀(泉放送制作)
チーフプロデューサー:松本京子
プロデュ―サー:藤森真実、藤村直人、森雅弘、白石香織(AX-ON)、島﨑敏樹(泉放送制作)
制作協力:AX-ON、泉放送制作
製作著作:日本テレビ
©︎日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/tonarino-nurseaid/
公式X(旧Twitter):@tonari_ntv
公式Instagram:@tonari_ntv

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