『ブギウギ』水上恒司演じる愛助の“嘘”に胸が痛くなる スズ子を励ますりつ子の衝撃事実も
もちろん、悲しかったのは愛助だけではない。スズ子も同じだ。「会いたかった。会いたかった」ーースズ子の手紙にはマイナスな言葉ばかりが並んでいる。それはかつて弟の六郎(黒崎煌代)に向けて歌った「大空の弟」のようなもどかしいやりとり。スズ子は手紙にはしたためてはいないが、口からこぼれ出た「愛助さん、この子ホンマに怒ってますよ。ワテも怒ってますで」という言葉が本当に伝えたかったセリフだろう。
舞台公演の前にスズ子のもとにやってきたのはりつ子(菊地凛子)。心配するでもなく「妊婦がどんな踊りをしているのか見に来てあげたのよ」とりつ子節全開なのがなんとも微笑ましい。だが、りつ子はスズ子をからかうためだけに来たわけではなかった。りつ子は「私子ども産んでいるのよ」と衝撃的な事実を口にする。
10歳になる子どもは現在は田舎の母親に預けており、父親は子どもが生まれる前に家を出ていた。歌を歌うために自分の手で子どもを育てられなかったことが唯一の後ろめたさだとりつ子は語る。だからこそ、りつ子は歌に命をかけていた。言葉こそ悪いけれど、りつ子は子育てと歌手の両立の難しさを知っているからこそ、妊婦としてステージに立つスズ子をリスペクトしていた。あえて言葉にしないあたりがりつ子らしい。
千秋楽を無事に大成功で終えたスズ子だったが、まだ気がかりな愛助のことが残っている。手紙ではなく、ハガキで簡潔な文面が綴られていたのも心配だ。愛助に何事もないといいのだが。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:趣里、水上恒司、草彅剛、蒼井優、菊地凛子、生瀬勝久、小雪、水川あさみ、柳葉敏郎ほか
語り:高瀬耕造(NHK大阪放送局アナウンサー)
脚本:足立紳、櫻井剛
制作統括:福岡利武、櫻井壮一
プロデューサー:橋爪國臣
演出:福井充広、鈴木航、二見大輔、泉並敬眞、盆子原誠ほか
音楽:服部隆之
主題歌:中納良恵 さかいゆう 趣里 「ハッピー☆ブギ」
写真提供=NHK
公式サイト:https://nhk.jp/boogie