最新技術を使って撮影された『テッド ザ・シリーズ』 セス・マクファーレンらが語る舞台裏

 だが、1993年を描いていながらも技術的に最先端を歩んでいるのは、セス・マクファーレンがテッドのセリフを発しながら、同時に演出もしているところだろう。従来の撮影のようにブルーバック(合成用のバックグラウンド)で演じるのではなく、共演者たちは日常に溶け込むテッドと目線を合わせながら撮影が行われている。これはViewScreenというVFXをリアルタイムで確認しながら撮影ができるシステムで、特にスピーディな制作が求められるテレビの世界においてCGIを効果的に使う画期的な技術だそうだ。

 セス・マクファーレンは言う。

「『テッド ザ・シリーズ』のような番組の制作過程において、間違いなく負荷を減らし、撮影や準備時間の節約になります。『テッド』を作る上で大きなゲームチェンジャーでした。今、テレビや配信ではたくさんの素晴らしいCGIが使われています。でも、CGIの主人公がすべてのシーンに登場するようなシリーズは多くありません。もちろん映画では何百万回も行われていますが、テレビでは未知の領域で、少なくともテレビの世界ではかなり画期的な技術だと思います」

 ブレア役のジョルジア・ウィガムは、「(撮影中にも)テッドのエネルギーがはっきり感じられました。セス(・マクファーレン)が私たちのすぐ隣でテッドの声を出してくれていたのが、とても助かりました。何かに向かってただ台本を読んでいるだけなのに、『わあ、すごいな、彼が一緒にいるみたい』と感じられるようになるんです。だからテッドの存在を常に感じていました」と、奇妙な撮影を思い返す。

 ジョンの母親のスーザンを演じるアランナ・ウバックは、「(セスは)小さなブースみたいなところに入っていて、そこから演出したり、セスの動きや感情表現を全てモーションキャプチャーしていました。だから、セスはテッドの台詞を言いながら私たちを演出し、さらに自分もそのシーンの一部になっていたんです。テッドを演じているセスを撮影し、そしてポストプロダクションで、実際のクマのぬいぐるみにセスの動きや感情をすべて重ね合わせる。だから、このプロジェクトはとても驚異的な作品なんですよ」と語る。最初の台本読み合わせの際にテッドの実物大ぬいぐるみをもらい、全キャストが小さなテッドのサイズ感を確認し、目線の位置を合わせるといった撮影準備も行われていたそうだ。

 「大好きなクマのぬいぐるみが親友だったらいいのに!」というジョン少年の願いが実際のものになる『テッド』。高校生のジョンとテッドも、1993年当時の流行やテクノロジーを駆使し、マリファナを吸ったり女の子にモテようと一生懸命になっている。1990年代だろうが2010年代だろうが、ジョンとテッドの日々はくだらない笑いに満ちている。忙しない1日の終わりを笑いで締めくくる、最高の“フィールグッドドラマ”となるだろう。

■配信情報
『テッド ザ・シリーズ』
U-NEXTにて配信中 毎週木曜0:00に1話ずつ配信
出演:セス・マクファーレン、マックス・バークホルダー、スコット・グライム、アラナ・ユーバック、ジョルジア・ウィッガム
監督・製作総指揮・脚本・共同ショーランナー:セス・マクファーレン 
製作総指揮・脚本・共同ショーランナー:ポール・コリガン、ブラッド・ウォルシュ
製作総指揮:エリカ・ハギンズ、アラナ・クレイマン、ジェイソン・クラーク、エイミー・カールソン (Fuzzy Door Production) 
製作:UCP, a division of Universal Studio Group, Fuzzy Door and MRC
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