佐藤二朗、稲垣吾郎ら、河合優実主演映画『あんのこと』出演決定 ティザービジュアルも

 河合優実が主演を務める入江悠監督最新作『あんのこと』の追加キャストとして、佐藤二朗、稲垣吾郎、河井青葉、広岡由里子、早見あかりの出演が発表された。あわせて、ティザービジュアルが公開された。

 本作は、2020年6月に新聞に掲載された「ある1人の少女の壮絶な人生を綴った記事」に着想を得て描く、実話をもとにした人間ドラマ。機能不全の家庭に生まれ、虐待の末にドラッグに溺れる少女が、人情味あふれる型破りな刑事や、更生施設を取材する週刊誌記者をはじめとした人々と出会い、その見返りを求めない姿に次第に心を開き、生きる希望を見いだしていく。しかし、微かな希望をつかみかけた矢先、どうしようもない現実が彼女の運命を残酷に襲う。

 監督を務めるのは、『映画 ネメシス 黄金螺旋の謎』『AI崩壊』『22年目の告白 ―私が殺人犯です―』のほか、『SR サイタマノラッパー』『ビジランテ』『ギャングース』など現代社会の問題にスポットライトを当ててきた入江悠。原案となる新聞記事を読んだ入江監督はその内容に衝撃を受け「これはどうしても今映画化したい話だ」と強く望み映像化に臨んだ。また、製作陣には第75回カンヌ国際映画祭カメラドールスペシャルメンション賞を受賞した『PLAN75』のスタッフが再集結した。

 主人公の杏を演じるのは、第14回TAMA映画賞最優秀新進女優賞、第44回ヨコハマ映画祭 助演女優賞、第35回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞新人賞を受賞した河合。最悪な家庭環境の中で育ちながらも、心から信頼できる人々と出会うことで、次第に生きることに楽しみを見いだしていく繊細な心の機微を演じる。

 『はるヲうるひと』や『さがす』などの佐藤が、ドラッグに溺れていた杏を救おうとする人情味あふれる型破りな刑事・多々羅、『半世界』や『窓辺にて』、『正欲』などで主演を務めてきた稲垣が、多々羅と親交がありつつも彼の裏の顔を暴こうとする、正義感と友情に揺れるジャーナリスト・桐野をそれぞれ演じる。そして、杏の母親・春海を濱口竜介監督作『PASSION』や『偶然と想像』の河井、杏の祖母・恵美子として映画・ドラマ・演劇と幅広く活躍するバイプレイヤー・広岡、杏の隣人で幼い赤ん坊の母親・三隅紗良を『シン・ウルトラマン』や『ミンナのウタ』の早見がそれぞれ演じる。

 公開されたティザービジュアルは、杏(河合優実)が大きく切り取られ、辛い現実のなかで懸命に生きる杏の表情とともに「だれにも、私を殺させない。」のキャッチコピーが配置されている。

 あわせて、佐藤、稲垣からはコメントも到着。本作について、佐藤は「この腹を抉られる ような事実をなんとしても人々に伝えたいという思いで演じました」と語り、稲垣は「杏の声がどうか皆様の心に届きますように」とコメントを寄せている。

コメント

佐藤二朗(多々羅保役)

実話に基づいた本作。新聞の小さな三面記事から炙り出されたこの物語を、絶対にこんなことを起こさせてはいけないという思いと、この腹を抉られるような事実をなんとしても人々に伝えたいという思いで演じました。この、ほとんど祈るような思いが、一人でも多くの方々の胸に届くことを願っています。

稲垣吾郎(桐野達樹役)

最初にシナリオをいただいた時に受けた動揺を今も忘れられません。人は生まれながらに誰かと繋がり生きていく権利を持っている。その思いを信じて作品に参加させていただきました。杏の声がどうか皆様の心に届きますように

■公開情報
『あんのこと』
2024年6月7日(金)新宿武蔵野館ほか全国公開
出演:河合優実、佐藤二朗、稲垣吾郎、河井青葉、広岡由里子、早見あかり
監督・脚本:入江悠
製作:木下グループ、鈍牛倶楽部
制作プロダクション:コギトワークス
配給:キノフィルムズ
©2023『あんのこと』製作委員会
公式サイト:annokoto.jp
公式X(旧Twitter):@annokoto_movie

関連記事