『ブギウギ』中山役も大反響! 小栗基裕が語る、役者として、s**t kingzとしての現在地

俳優業がs**t kingzの活動にもプラスに

――ダンスを始めたのは高校生のときと聞きましたが、演技に関して興味が芽生えたのはいつでしたか?

小栗:演技が気になったのは29か30歳の頃で、もっと早く興味持っておけばよかったと思います。でも、ダンスを始めた頃は、とにかくダンスに夢中だったんです。きっかけは、ダンサーの先輩たちが行っていたダンス劇『Blue Print』を何度か観に行っているうちに、「こんなふうにセリフを言ってみたいな……」と舞台に立つことを想像しはじめたんです。それを先輩に話したら、お誘いいただいて、ゲストとして出演することになって。それがちょうど29、30歳くらいのときなんです。実際に出演してみて、楽しいっていう気持ちと、難しいなと思う気持ちがあったんですけど、やっぱり「楽しい」気持ちが大きくて。その後、事務所に入って演技がしたいと伝えたところ、オーディションを受けたりするようになりました。

――それで出演することになった『孤狼の血』の現場で、驚いたこと、印象に残ったことはありましたか?

小栗:僕が撮影に入る前の日に、鈴木亮平さんに挨拶する機会があったんですが、すでに役として仕上がっていて迫力がありました。でも、お話したらとてもやさしくて頼れる“兄貴”って感じなんですよね。初めてだったので、撮影の方法はわからないことだらけでした。カメラがこちらから撮っているから、ここの画角に入らないといけないとか、照明の影にならないように動くとか……。ダンスの映像の撮影で、いろいろ経験してきたつもりだったんですが、それとはまったく違うものだったし、その後に編集されて効果音がついたときに、こんなふうになるのかって驚きました。それと、その場でどんどん段取りが決まっていく中で、スタッフさんたちが先読みして動いていて、その仕事っぷりや連携プレーに感動しました。

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――そんな中で、絶対に失敗できない場面なんかもあったのでは?

小栗:ありましたね。特に、銃を発砲するシーンは、失敗ができないシーンだったので、そこは特に緊張しました。

――今回の『ブギウギ』ではいかがでしたか?

小栗:最初の方は緊張しました。錚々たる俳優さんと一緒であることに単純にビビっていました(笑)。ただ、最初はセリフがそれほど多くなかったので、それで徐々に慣れていきました。セリフのあるシーンは六花ちゃんと一緒だったので、緊張が和らいだ部分もありました。

――第6週の中山は秋山の憧れの存在でしたが、第7週では……。

小栗:第7週の中山は、「むっつりスケベ」だと思われちゃうかもしれないですね(笑)。昔の考え方で、「僕の言う通りにしていれば君は輝ける」というのもね……。それをみんなの前では言わなくて、秋山の前でだけ言ってると思うと、いやらしいですよね。でも、演じる上では、それが正しいと信じている人だと思って演じてました。特に、「僕の背中をかいてくれないか」というセリフがあるんですけど、そんなこと普段の生活では絶対に言わないじゃないですか(笑)!

秋山(伊原六花)にフラれ落ち込む中山(小栗基裕)

――反響も気になりますね。

小栗:第6週は踊ってるところが多かったので、「カッコいい」と言ってくれる反響もあったんですけど、第7週は、あんなに信念を持って頑張っている秋山の東京での活躍の場を奪ってしまうので、絶対に嫌われるんだろうなって。中山は今の時代にまったくそぐわない考え方で、個人的にはダメだと思います。でも、台本を初めて読んだときは、こういうふうに、人を自分に都合よく動かそうとする人っているよなと思いながら興味深く読みました。

――そうやって演技をすることでs**t kingzの活動にフィードバックできたことはありますか?

小栗:具体的なことはわからないですが、たくさんあると思います。踊ってるときの表情に影響が出るような気がしています。s**t kingzのステージで、セリフはないけれど、表情で表現することがありますが、以前はその人の気持ちになって考えるというよりは、悲しさや楽しさがダンスで表現できたらいいなと、ざっくり考えていたんです。演技を初めてからは、もっと具体的な感情を考えるようになったので、そういうことが今後も生きてくればいいなと思います。

――これからやってみたい役などはありますか?

小栗:まだやってみたいということが狭められるほど、いろんな役をやっていないので、これからもいろんな役をやってみたいですね。

同学年のSKY-HIから受ける刺激

――12月には、s**t kingzのshojiさんと、『ある都市の死』という舞台にも出演されるそうですね。

小栗:稽古は夏ぐらいから月に一回、ワークショップ的にやってるんですけど、今はセリフを覚えたり、背景について調べたりと準備しているところです。2人では、『My friend Jekyll』という朗読×ダンス×生演奏の公演をやっていて、だから人数が少ないことへの不安はないんですね。今回は、朗読劇ではなく、またシリアスなテーマがあるので、そこにちゃんと向き合って臨まないといけないなと思っています。

――s**t kingzの活動としては、今年はTBSの『音楽の日2023』で「エンタメ界からダンスのGIFT」コーナーで、90人ものアーティストのダンスコラボのプロデュースをされたことが印象に残っています。

小栗:僕自身も、いろんなアーティストやグループの振り付けも続けていきたいですし、今、実力もあって、音楽もカッコいいアーティストがたくさんいて、めちゃくちゃ盛り上がっているので、その中心にいられるように頑張りたいです。s**t kingzに振り付けしてほしいと言われる存在で居続けたいと思います。10月には日本武道館でダンサーとして初めてワンマンでライブもできましたし、一昨年には初めて『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に単独で出させてもらったりと、音楽番組にも出させてもらう機会も増えたので、今後もどんどん出演していきたいですね。

――ダンスや音楽シーンでアツく話す存在はいますか?

小栗:やっぱり日高(SKY-HI)が、いろんな風を起こしているから、それを目の当たりにして刺激を受けています。BE:FIRSTの活躍を見て、うれしい思いもあります(小栗はBE:FIRSTが誕生したオーディション番組『THE FIRST』に出演)。日高とは同い年だし、大学の頃から知っていて、その日高が面白いことをしているから、僕も負けたくないという思いもあるし、自分たちも、もっともっと面白いことを起こしていきたいです。今回の朝ドラ出演を通じて、s**t kingzのことをもっと知ってもらえたらいいなと思っています。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:趣里、水上恒司、草彅剛、蒼井優、菊地凛子、水川あさみ、柳葉敏郎ほか
脚本:足立紳、櫻井剛
制作統括:福岡利武、櫻井壮一
プロデューサー:橋爪國臣
演出:福井充広、鈴木航、二見大輔、泉並敬眞、盆子原誠ほか
写真提供=NHK

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12月7日(木)

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