『怪物の木こり』染谷将太はラストまで生き残る!?　三池崇史「自分にとって“最強の武器”」

　12月1日に公開される亀梨和也主演映画『怪物の木こり』で“サイコパス脳外科医”を演じる染谷将太の新場面写真とコメントが公開された。

　本作は、2019年の第17回「このミステリーがすごい！大賞」を受賞した倉井眉介による同名小説を三池崇史監督が映画化するサスペンス。凶器の斧で脳を奪い去る連続猟奇殺人事件の次のターゲットとして狙われたのは、弁護士・二宮彰。しかし二宮は、犯人をも凌駕する狂気のサイコパスだった。犯人を追う警察と、返り討ちを狙う二宮。追う者と追われる者が入れ替わっていくストーリーの結末とは。

　目的のためには手段を選ばず殺人すらいとわない狂気のサイコパス弁護士・二宮彰役で亀梨が主演を務めるほか、捜査本部で孤立しながらも連続殺人事件を追う警視庁のプロファイラー・戸城嵐子を菜々緒、二宮の本性を知らない婚約者・荷見映美を吉岡里帆、過去の殺人事件の容疑者・剣持武士を中村獅童、正義感が強すぎる刑事・乾登人を渋川清彦がそれぞれ演じる。

　『悪の教典』『神さまの言うとおり』『初恋』など三池監督とは数々の作品でタッグを組んでいる染谷が本作で演じる杉谷九朗は、脳外科医でありながら裏の顔はサイコパスで、亀梨演じる主人公・二宮彰の協力者という役どころ。撮影自体はたったの2日で終えたという染谷だが、全編を通してその存在感を残している。

　そんな染谷について三池監督は「撮っていて最高に楽しい男」、さらには「自分にとって“最強の武器”」とまでの言葉を並べながらも、これまでの作品ではいつも途中で死んでしまう役どころばかりだったという。「自分の作品に何度も出てもらっているのですが、いつも割と早く死ぬんですよ（笑）。ただ、出演している一瞬の中に光る切なさを持っている俳優だと思うんです」とその理由を明かし、「彼の演じるキャラクターがいなくなった後に現場のみんながちょっと『ああ、もうあのキャラはもう見られないんだ。染谷君が演じているそのキャラクターともう現場で一緒に仕事できないんだ』という喪失感を感じているんですよ。お客さん目線の言い方だと“○○ロス”ということになると思うんですけど、それと同じ体験を現場のメンバーもしている。撮っていたい、見ていたい、現場にいてほしいっていう、その喜びを与えてくれているんですよね」と染谷の演技や存在感を絶賛。

　しかしながら本作では杉谷が“ラストまで生き残っている”ことが先日の完成報告会にて三池監督の口から既に明かされており、これには染谷も「死なないことに逆に不安でした」と返し、会場を笑いの渦に巻き込む一場面も。そんな杉谷の役作りについて、「起きていることをそのまま受け入れながら演じました」と撮影を振り返った染谷。三池監督からは「普通に演じてくれていれば大丈夫」と圧倒的信頼を寄せられていたようで、「あまり“サイコパス”という人物像を気にしすぎないように演じたのですが、何かしらの違和感を持たせるようにしつつ、なるべく淡々とこを終わらせていくような様子を意識しました」と語りながらも「ぬめっとした佇まいになったら良いなというのは意識していました」と、独特の存在感を創り上げる上でのポイントを明かす。そして常連となった三池組での撮影については、「心地よい緊張感のもとで撮影ができました。三池組は、映画を作るってやっぱり楽しいことなんだと、純粋に思える現場です。それを楽しみつつも自分の役割を絶対に全うしなきゃいけないし、監督に喜んでほしいと、そんな風に思いながら撮影に臨んでいました」と語った。

　公開された新たな場面写真では、携帯電話を手に持ち、伏し目がちな表情を見せる染谷の姿が切り取られている。

■公開情報
『怪物の木こり』
12月1日（金）全国ロードショー
出演：亀梨和也、菜々緒、吉岡里帆、柚希礼音、みのすけ、堀部圭亮、渋川清彦、染谷将太、中村獅童
原作：『怪物の木こり』倉井眉介（宝島社文庫）
監督：三池崇史
脚本：小岩井宏悦
音楽：遠藤浩二
主題歌：SEKAI NO OWARI「深海魚」（ユニバーサル ミュージック）
製作・配給：ワーナー・ブラザース映画
©2023「怪物の木こり」製作委員会
公式サイト：kaibutsunokikori.jp
公式X（旧Twitter）：@kaibutsukikori