『マイハル』道枝駿佑演じる拓から目が離せない 無邪気さと職人気質の二面性が明らかに

 30歳になってから大学に進学した佐弥子(広瀬アリス)と、彼女と5歳以上も離れた学友たちの青春を描いたドラマ『マイ・セカンド・アオハル』(TBS系)。佐弥子が過ごす日々はまさに「大学は勉強するだけの場所じゃない」ということを感じさせてくれる。

 特に佐弥子の運命を大きく変えた拓(道枝駿佑)は、大学入学後も佐弥子の大きな力となってくれている。佐弥子は年齢差や、シェアハウス「サグラダファミリ家」のルールのことを考えて拓に惚れないように自制しているようだが、そんなことを忘れてしまうくらい拓はとても魅力的だ。

 拓は初対面の時から佐弥子に対してタメ口だったが、佐弥子が大学に入った今、それが「年下と話すこと」のハードルをガンガンに下げてくれる要因になっている。「年を食っただけで偉くなったような気にならないために大人になればなるほど、恥をかく経験をした方がいい」というのは日向(安藤政信)の言葉だが、立場や年齢など表面上のものだけを気にして、年下が年上を変に持ち上げたり、気を使いすぎたりしないようにすることも大切である。その点から見れば、やや生意気に見える拓の態度は、佐弥子をひとりの人間として見ているからこそのものだといえるだろう。もともと大学で仲良くできる友人が欲しかった佐弥子にとって、気の置けないやりとりをしてくれる拓の存在は重要なものとなってきている。コントのようなテンポのいい佐弥子と拓の会話をみれば、ふたりの相性がとてもいいことが一目でわかるだろう。

 拓の建築に対する熱量が高いのもカッコいいポイントで、佐弥子は常に拓からいい刺激を受けている。第2話では、自分の考えた建築のコンセプトが過去にも出てきていたことを知った拓が、模型が完成目前だったにもかかわらず、作品をコンペに出すことを諦めてしまった。拓のアイデアのいい点を理解し、「優秀賞を取りたい」という拓の気持ちに感化されていた佐弥子は拗ねていた拓に発破をかけた。それによって自分を見つめ直した拓は1日で別のアイデアを形にし、再びコンペに挑戦することに。だがそれは、模型を1から作り直すということを意味する。「間に合うの?」と佐弥子に問われた拓は、自分のアイデアを楽しそうに語り倒していたそれまでの表情を一変させ、「間に合わせるんだよ」と言い切った。この一瞬の表情の変化に心を掴まれなかった人はいないのではないだろうか。思わず佐弥子も目を奪われていた。

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