『下剋上球児』球児インタビュー第1回:伊藤あさひ “キャプテン”としての覚悟
次代のスター候補生たちが揃うTBS日曜劇場『下剋上球児』。役者としての演技はもちろん、甲子園を目指す越山高校野球部として説得力をもったプレイを見せなくてはいけない球児たち。本気のオーディションを経て選ばれた彼らはどんな思いで撮影に臨んでいるのか。放送に合わせて球児たちへ連続インタビュー。第1回は、椿谷真倫役の伊藤あさひ。
親友・兵頭功海と切磋琢磨
――放送が始まって、反響は届いていますか?
伊藤あさひ(以下、伊藤):野球をやっていた頃の友人たちから久々に連絡をもらいました。当時、僕の母と一緒に応援してくれていた(友人の)お母さんとも「ドラマについて喋ったよ」と言ってもらえたり、やっぱり嬉しいです。僕は父から無理矢理やらされたことをきっかけに野球を始めたので(笑)、父からも「またあさひが野球をしてる姿が見られて嬉しいよ」と言ってくれて、それも嬉しかったです。
――長期間にわたるオーディションを振り返って、いかがですか?
伊藤:親友の兵頭功海くん(根室知廣役)とずっと一緒にオーディションを受けていました。最初は自信がなかったので、自分にできる精一杯のことをやろうと思っていたんです。練習会や実技審査では、誰が受かるかわからない中で一致団結し、野球を通してみんなで一つになれた感覚がすごくあって、オーディションでは経験できないことを経験させていただきました。
――兵頭さんもオーディションを受けることは、事前に知っていたんですか?
伊藤:プライベートも含めて一番仲がいいので、オーディションを受けることも知っていましたし、その都度「受かった」と報告もしていました。親友でもありライバルでもあるので、毎回「良かった」「次も2人で残ろう」と、話していました。「何ができた」「何ができなかった」と毎回言い合っていたので、お互いに自分の評価をして、「じゃあ次はこうしよう」と支えてもらったので、合格できたのはそのおかげもあるのかなと思います。
――合格後に、ドラマについて何かお話ししましたか?
伊藤:ゲームでボイスチャットをするたびに話していて、やっぱり「自分たちのステップアップになる作品でしたい」というのは第一にありました。でも、それよりも強く思っていたのは「この作品をいい作品にしたい」ということで、それは僕らだけじゃなく、みんなが思っていることだと思います。ただ1年生役の6人(犬塚翔役/中沢元紀、根室知廣役/兵頭功海、日沖壮磨役/小林虎之介、久我原篤史役/橘優輝、楡伸次郎役/生田俊平)には、同じ学年なので、ちょっと特別な思いがあります。この間も6人だけのシーンがあって、すごく感慨深いものがありました。
――6人では、役について話すことが多いですか?
伊藤:そうですね。その6人は物語の中でも成長を見せられる役だと思うので、「1年生のときはこうだったけど、3年生のときはどうなっているのかな」と、現場で頻繁に話しています。
――伊藤さんは野球経験者ということで、初心者役を演じる難しさもありそうです。
伊藤:今まで経験者役しかやったことがなかったので、(ふだんとは逆の)左打ちや左投げを動画に撮って右で真似したり、野球を始めた頃の自分を思い出しながらボールを取ったり。あとはキャストにも初心者の方がいらっしゃったので、その子たちの動きを見るようにもしていました。
――椿谷は、最終的にはキャプテンになっていく役どころです。
伊藤:僕がキャプテンになってからの撮影がちょうど始まったところなんですが、かなり成長していると思います(笑)。椿谷なりにかなりの努力をしたんだろうな、と自分で背景を付けて。なんとかみんなをまとめて、引っ張っていける存在になれたらいいなと思いながらやっています。
――主人公・南雲役の鈴木亮平さんの印象は?
伊藤:ずっと尊敬している俳優さんだったので、今回初めて共演させていただいてとても光栄です。正直、本当に生徒みたいな気持ちになって、たまに失礼なことを言ってしまっていないかな?」と思うくらい(笑)、現場でも先生でいてくださるので本当に心強いです。台本には書いていないような立ち居振る舞いも含めて、常に南雲先生として現場にいらっしゃるので、得られる学びも多いですし、お仕事に対する向き合い方やアプローチの仕方はすごく勉強になります。
――山住先生役の黒木華さんはいかがでしょうか?
伊藤:黒木さんは、実際にお会いするまでは静かな方なのかな、という印象がありました。でも、カメラが回っていないときにも一番声を出して野球の応援をしてくださったり、すごく芯のある山住先生を演じてくださるので、役としても、伊藤あさひとしても、「おふたりについていこう」という気持ちになります。
――お芝居をする上で盗んだことや、今後に生かしていきたいことはありますか?
伊藤:鈴木亮平さんは、感情的なシーンでもたとえ感情が上がっても、「どこに目線がいったら、これが伝わるのか」と、視聴者さんや監督が求めるお芝居をされていて。僕は感情が昂ぶるシーンだと、その感情に支配されて、カメラがどこにあって、どう映って、ということが意識できなくなって瞬間があるので、将来的にはそういったシーンにも技術的な面をうまく取り入れられたら、強みになるなと思いました。