『ブギウギ』蒼井優が体現する厳しさの中の優しさ 梅丸少女歌劇団を率いる大和礼子の魅力

 大和のステージ上、そして練習中の華麗なステップは2歳でクラシックバレエを習い始め、今も続ける蒼井自身の実力の現れだ。彼女のバレエ経験は初の長編主演映画『花とアリス』でも発揮されていたが、制作統括の福岡利武も礼子の憧れの先輩としてだけでなく歌劇団を率いる実力の持ち主としての説得力が彼女にあると明かしている。だからこそ、第10話で描かれた歌劇団の初単独公演が“完成”されたものだと感じられるのだ。

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 蒼井はこれまでもさまざまな役柄を演じ、2020年公開の『スパイの妻』では第15回アジア・フィルム・アワード主演女優賞を受賞している。そして私生活では山里亮太との結婚が話題にもなった。そんな彼女にとって『ブギウギ』は出産後初のレギュラードラマ出演であり、重要な作品である。だからこそ出産直後からバレエ稽古にかなり励んでいたとのことで、実際に踊る姿を通して自身の役に“説得力”を持たせる彼女の気持ちが伝わる。2007年の映画『クワイエットルームにようこそ』でも摂食障害のキャラクターを演じるために、食事制限とランニングで7キロの減量をした蒼井。その時もそうすることが「役者なら当たり前」と話していた彼女のモットーは、『ブギウギ』で演じる大和のプロフェッショナルな姿勢に重なるものが多い。

 大和からテーピングを教えてもらって、よりモチベーションが上がった鈴子。彼女との距離がより近くなったように感じて喜んでいた彼女の数年後が第3週から描かれている。成長した鈴子と大和の関係性を含め、バトンタッチした主演・趣里と蒼井の共演そのものに注目したい。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:趣里、水上恒司、草彅剛、蒼井優、菊地凛子、水川あさみ、柳葉敏郎ほか
脚本:足立紳、櫻井剛
制作統括:福岡利武、櫻井壮一
プロデューサー:橋爪國臣
演出:福井充広、鈴木航、二見大輔、泉並敬眞、盆子原誠ほか
写真提供=NHK

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