モンキー・D・ガープ

　イケおじ枠といえば、やはり海賊王ロジャーを追い続けた“海軍の英雄”であり、“伝説の海兵”でもあるモンキー・D・ガープを挙げたい。

　ガープは、「海軍本部」の“中将”の立場でありながら、海賊王を目指すルフィの祖父でもある。そして、ルフィ同様自由をこよなく愛する豪快な男だ。一方で、まだ幼いルフィをジャングルに置き去りにするなど、“戦場の過酷さ”を知った者ならではの「厳しさ」も合わせ持っている。

　ただ、その豪快さや厳しさとは裏腹に、経験値を活かした「洞察力」もガープの特徴の一つである。状況や人物の本質を的確に把握し、戦略を練ることに優れているため、同僚からも評価が高い。一見、近づきがたく思えるが、ガープの「厳しさ」は「愛」でもあり、部下のことを実はちゃんと見てくれていることが分かる。

ヒナ

　ヒナは、入隊当初から優秀で、上官からも評価が高い「海軍本部」の美人少将。そして、作品での登場回数が少ないちょっとしたレアキャラでもある。

　センター分けのストレートヘアに、サングラスを合わせている姿やクールな性格から、いざという時に頼りになる“地元のギャルの先輩感”が強く、女性人気がかなり高そうなキャラだ。それに加えて、上官であるはずのガープを「ガープ君」と親しみをこめて呼ぶなど、上層部からも好感を持たれる魅力を持っている。

　また、34歳という若さで艦隊を率いる隊長でもあり、その「冷静さ」を活かした戦術指揮能力の高さは、現実世界の“上司”という立場においても大きな価値を持つだろう。

　今回紹介した『ワンピース』のキャラたちは、"社会人経験がない"という特性に基づいているからこそ、若い世代の価値観や、働く上で何を重視しているかが示されていた。

　選ばれた5人のキャラの共通点を考えると、若い世代が“自分のアイデンティティを失わずに社会に適応し、成長する手助けをしてくれる”存在や環境を求めているということが分かる。同時に、彼らが有する「共感力」「判断力」「親しみやすさ」「責任感」「ポジティブ思考」などの能力は、単なるアニメの枠を超え、社会における成功や幸福を追求する上でも重要な示唆となるだろう。