ドキュメンタリー映画『パトリシア・ハイスミスに恋して』11月公開 ポスター&予告編も

 パトリシア・ハイスミスの知られざる素顔に迫るドキュメンタリー映画『Loving Highsmith(原題)』が、『パトリシア・ハイスミスに恋して』の邦題で11月3日に公開されることが決定。あわせて予告編と日本版ポスタービジュアルが公開された。

 欧米ではアガサ・クリスティーと並ぶ人気を誇る作家のハイスミス。トルーマン・カポーティに才能を認められ、『見知らぬ乗客』『太陽がいっぱい』 『アメリカの友人』『キャロル』などの原作を生み出した。中でも、偽名で発表した『キャロル』は、自伝的小説でもあり、1950年代のアメリカでハッピーエンドを迎えた初のレズビアン小説だった。しかし、ハイスミスは、自身の恋愛活動を家族や世間に隠す二重生活を余儀なくされていた。

 本作は、そんなハイスミスの生涯を、生誕100周年を経て発表された秘密の日記やノート、貴重な本人映像やインタビュー音声、家族による証言、そして、アルフレッド・ヒッチコックやトッド・ヘインズ、ヴィム・ヴェンダースらによる映画化作品の映像を織り交ぜながら、彼女の謎に包まれた人生と著作に新たな光を当てるドキュメンタリー。8月19日より公開中の『アル中女の肖像』 の主演・衣装で知られるタベア・ブルーメンシャインや、作家のマリジェーン・ミーカーなど、ハイスミスの元恋人たちによるインタビューは、多くの女性から愛されたハイスミスの謎に包まれた魅力を紐解くと同時に、当時のレズビアンカルチャーを知る貴重な証言となっている。

 監督・脚本を務めたのは、ドキュメンタリー監督、脚本家として活動をするスイスの映画監督エヴァ・ヴィティヤ。ヴィティヤが「未発表の日記を読み始めるうちに、彼女自身に恋をしてしまった」と語るように、本作は2021年に刊行された彼女の恋愛生活を赤裸々に綴った日記を基に制作されている。ナレーションは、『ゲーム・オブ・スローンズ』や『ウェンズデー』で知られるグウェンドリン・クリスティーが担当。フランスのギタリスト、ノエル・アクショテが楽曲を書き下ろし、ビル・フリゼールとメアリー・ハルヴォーソンが演奏を手がけている。

『パトリシア・ハイスミスに恋して』予告編

 公開された予告編は、女優のクリスティーが朗読するハイスミスの日記の一節から始まる。そして、ハイスミスの日記やノートの一部、元恋人のマリジェーン・ミーカーやモニーク・ビュフェ、家族らの貴重なインタビュー映像が映し出されている。

 日本版ポスタービジュアルでは、若かりし頃のハイスミスの姿が、ハイスミスが愛した猫やカタツムリなどのモチーフとともに切り取られ、「彼女が望んだもうひとつの人生は小説の中にあった」というキャッチコピーが配置されている。

■公開情報
『パトリシア・ハイスミスに恋して』
11月3日(金・祝)より、新宿シネマカリテ、Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下、 アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
監督・脚本:エヴァ・ヴィティヤ
ナレーション:グウェンドリン・クリスティー
出演:マリジェーン・ミーカー、モニーク・ビュフェ、タベア・ブルーメンシャイン、ジュディ・コーツ、コートニー・コーツ、ダン・コーツ
音楽:ノエル・アクショテ
演奏:ビル・フリゼール、メアリー・ハルヴォーソン
配給:ミモザフィルムズ
後援:在日スイス大使館、ドイツ連邦共和国大使館
2022年/スイス、ドイツ/英語、ドイツ語、フランス語/88分/カラー・モノクロ/1.78:1/5.1ch 原題:Loving Highsmith/字幕:大西公子
©2022 Ensemble Film / Lichtblick Film
公式サイト:https://mimosafilms.com/highsmith/

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