自由奔放に見えるが、実は繊細なところを持っている倒理。そんな彼の些細な揺れを逃さないのが、【不可解（WHY）】専門の探偵・氷雨だ。かわいらしく、ちょっぴり頼りない。でも、言いたいことはしっかり言える強さを持っている。

　そして、洞察力があるキャラクターは、西畑の得意分野だ。『年下彼氏』（ABCテレビ・テレビ朝日系）内の『僕らの初恋物語』で海役を演じた時も、ヒロインの心の動きをじっと見つめる瞳が印象的だった。『メンズ校』（テレビ東京）の野上英敏も、友人の変化にいち早く気づける眼力を持っていた。『ノキドア』でも、彼の瞳の動きが物語に奥行きを与えている。「あれ？　なにかあるの？」と視聴者に謎を感じさせることができるのが、彼の強みである。

　さて、第1話で倒理＆氷雨が解くことになったのは、有名画家・四ノ宮英夫（信太昌之）の殺人事件の謎。事件現場となったアトリエは、中から鍵がかけられており、密室状態になっていた。さらに、壁に飾られていたはずの英夫の代表作が床に放たれ、そのうちの1枚が真っ赤に塗りつぶされている。

　トリックを見破り、犯人にたどり着いた倒理だが、いまいちその動機が見抜けない。そこで登場するのが、氷雨だ。ミステリーを見ていると、「でも、それだと穴がない……？」なんて思ってしまうこともあるが、本作はダブルで謎解きをしてくれるため、スカッとできる。

　ただ、心に引っかかっているのが、倒理の首に傷（？）がついた理由が潜んでいそうな“6年前の事件”。そして、倒理＆氷雨と大学のゼミで一緒だった糸切美影（早乙女太一）が犯罪コンサルタントをしているのも、今後の鍵を握ってきそうだ。

　土曜日の夜にちょっぴりザワザワ。でも、時々クスッと笑えてスカッとする『ノキドア』。これから、松村と西畑のグループの垣根を超えたタッグが見られると思うと、とても楽しみだ。

『ノッキンオン・ロックドドア』第1話場面写真

■放送情報
『ノッキンオン・ロックドドア』
テレビ朝日系にて、毎週土曜23:00～23:30放送
出演：松村北斗（SixTONES）、西畑大吾（なにわ男子）、石橋静河、畑芽育
原作：青崎有吾『ノッキンオン・ロックドドア』（徳間書店）
脚本：浜田秀哉
監督：堤幸彦ほか
音楽：fox capture plan
主題歌：SixTONES 「CREAK」
ゼネラルプロデューサー：中川慎子（テレビ朝日）
プロデューサー：田中真由子（テレビ朝日）、尾花典子（ジェイ・ストーム）、長澤佳也（オフィスクレッシェンド）、小林麻衣子（テレビ朝日）
制作協力：オフィスクレッシェンド
制作：テレビ朝日、ジェイ・ストーム
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