NHK連続テレビ小説『舞いあがれ！』で朝ドラ初出演を果たし、2023年は『スタンドUPスタート』（フジテレビ系）で銀行員役、『弁護士ソドム』（テレビ東京系）で元結婚詐欺師役に挑んだ乃木坂46の山下美月。鈴木仁とW主演を務める『さらば、佳き日』では、実の兄を愛する保育士・広瀬晃を演じ、新境地を開いている。乃木坂46の活動と並行して俳優業で存在感を放つ山下に、「いろいろ考えながら演じている」という『さらば、佳き日』での役作りや、自身の高校時代、現在の結婚願望などについて、話を聞いた。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

「結婚に対する憧れはある」

ーー『弁護士ソドム』に続いて、2クール連続のテレビ東京系ドラマ出演となります。

山下美月（以下、山下）：ありがたいです。撮影は被っていないんですけど、『弁護士ソドム』がクランクアップして、『さらば、佳き日』のビジュアル撮影の日の朝に髪の毛を切って、ビジュアルを撮影しました。

ーー乃木坂46の活動と並行して個人の活動も大忙しですね。

山下：ちゃんとできているのか自分ではわからないですけど、両立させていただいています。

ーー『さらば、佳き日』は山下さんにとってもあまり挑んだことのないタイプの作品では？

山下：そうですね。テーマ的にも、私も今まで触れたことがないような世界観でしたし、視聴者の皆さんにとっても、地上波ではなかなか観たことのない題材だと思うので、私自身もみなさんの反応を楽しみながらやらせていただいています。

ーー役作りの面においても、いろいろと難しそうですよね。

山下：自分には兄弟がいないので、どういう距離感で描けばいいのかは、私自身、いまだにいろいろ考えながら演じています。ただ、原作があるので、その世界観を大切にできればなと。

ーー原作があるのは役作りの上でも大きいと。演じるうえで心がけたことはありますか？

山下：何か特別な出来事が起きるというアクションよりかは、日常的なセリフやシーン、心情の描写が大切な作品なので、丁寧に演じることは意識しています。ただそれも、自分の中で考えてやるというよりかは、普通に会話をするように、なるべく意識せずに会話のキャッチボールをしている感覚に近いかもしれません。

ーー自然体な感じというか。

山下：そうですね。だからセリフを言うときも、声を張ろうとかは考えずに、マイクに音声が乗るか乗らないかぐらいのシーンもあったりします。カメラの前に立っていることをあまり意識せずに演じています。

ーー高校時代のシーンにもリアリティがありました。山下さんご自身と共通する部分はありましたか？

山下：晃は高校の頃から家事など家のことをちゃんとやっていて、あまり高校生らしくないというか、むしろ主婦感もあるような女の子ですけど、私は高校時代、すごく元気いっぱいな子だったんです。“ザ・女子高生”という感じで、プリクラとか撮って遊んだりしていたので、晃は偉いなと（笑）。

ーーそうなんですね（笑）。乃木坂46に加入されたのも高校生のときですよね。

山下：そうですね。17歳のときに乃木坂46に入りました。

ーーとは言ってもまだ6年前とかなんですね。

山下：でも、この10代から20代にかけての6年って、すごく移り変わりが激しくて。それこそ乃木坂に加入したタイミングで一人暮らしを始めることになって、学校も転校して……周りのみんなが大学の受験勉強や就職活動をする中で、自分は芸能界の道を歩いていく重圧を感じていました。そこからいままで、すごく濃い生活を送っているなと思います。

ーーいま振り返ってみて、当時の選択をどのように感じますか？

山下：正直、もうちょっと自由に高校生活を送ってみたかったなとか、高校生らしいことをしたかったなとか、大学生になってキャンパスライフも送ってみたかったなとか、そういう“憧れ”みたいなものはあるんですけど、なかなか経験できない生活を毎日送らせていただいているので、それにはすごく感謝しています。大人になっていくのもみんなとは違うルートで、早く大人への階段を上らなきゃいけなかったので、自立した生活を早い時期に始める必要があったんですけど、個人的にはそれがすごく楽しくて。私は1人で行動をするのが好きなので、もちろん家族だったり周りの人たちのサポートがありつつも、自分で働いて自分で生きていけるんだということを早い段階で自覚できたのは、自分自身、すごく嬉しかったです。

ーー学生時代に思い描いていた23歳の姿とはかけ離れていそうですね。

山下：学生時代、自分は23歳ぐらいで結婚してると思っていたんです。むしろ、「絶対23歳ぐらいで結婚したい！」って思っていて。でもいざその年齢になってみると、全然しないし、みたいな（笑）。まず“結婚する”っていう考え自体がない。学生時代の23歳って、もっと大人な感じがしたんですけど、実際は、感覚的には18とかのときと、そんなに変わっていないんですよね。延長線上でずっと走り続けている感じというか……。もちろん考え方とかはちょっと大人になったなと思うところはありつつ、基本的な部分はあまり変わらないので、すごく不思議な感じがします。

ーーちなみにいまの時点で結婚願望はあるんですか？

山下：結婚に対する憧れはあります。「いつか自分がお母さんになるときが来るのかな……」みたいなことを想像するときもあったりして。これから先もいろんな人生が待っているのは間違いないので、楽しみな気持ちのほうが大きいですね。