『シッコウ!!』織田裕二の不思議な魅力 “バディ”伊藤沙莉との抜群のテンポ感も

 伊藤沙莉が主演を務めるドラマ『シッコウ!!~犬と私と執行官~』(テレビ朝日系/以下『シッコウ!!』)が7月18日に第3話を迎えた。

 今期シーズンのドラマの中でも一際早い段階からスタートしていた『シッコウ!!』。次回の第4話が1週あけて、8月1日に放送ということも相まってか、この第3話は序章の完結編というような、物語の一区切りとなる回であった。

 吉野ひかり(伊藤沙莉)が、小原樹(織田裕二)とともに執行に向かうのは、パチンコ店と公団住宅。売上金そのものを差し押さえる、まるでアウトレイジな世界な前者に比べて、後者は目をそらしてしまいそうになる現実が待ち構えていた。

 地上4階、10メートルのベランダを伝って進入したマンションはゴミ屋敷。進んだ先には猫を大事そうに抱え、衰弱した男性・矢上遼一(高橋光臣)が横たわっていた。彼は母親の介護を理由にして離職を余儀なくされた介護離職者。すでに母親にも旅立たれており、動産の差押さえよりも病院に連れて行くのが先という危険な状態だ。咳き込む遼一に、従姉妹の理那(横田美紀)が寄り添うが、遼一は「見るな!」と差し出された手を払い除ける。これまでの案件とは違って、強制執行にも踏み込めない厳しい光景がそこには広がっていた。

 ひかりは本来、保護動物カフェのアルバイトで、執行補助者(犬担当)としてはまだまだ新人。人が生きるか、死ぬかの極限状態を目の当たりにし、ひかりは「胸がざわざわ」していた。つまりは執行官とはパワーがいる、心が強くなければ続けていけない職務でもある。さらに言えば、今回の案件だけでなく、これまでの積み重ねとしてひかりは執行官という大変な仕事が自分には向いていないのではないかと思っていた。

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