岡田麿里監督作『アリスとテレスのまぼろし工場』に榎木淳弥ら参加　特報＆ビジュアルも

　岡田麿里が監督を務める、MAPPA初のオリジナル劇場アニメーション作品『アリスとテレスのまぼろし工場』の公開日が9月15日に決定し、メインキャストが発表。あわせて特報映像とティザービジュアルが公開された。

　『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『心が叫びたがってるんだ。』で脚本を手がけ、『さよならの朝に約束の花をかざろう』で監督デビューした岡田の最新監督作となる本作。『この世界の片隅に』 『劇場版 呪術廻戦 0』などのスタジオMAPPAが、「岡田監督の作りたい世界を徹底的に追求した作品を作りたい」と初のオリジナル劇場アニメーション作品の制作を担った。また、副監督を『呪術廻戦』の平松禎史、キャラクターデザイン・総作画監督を『凪のあすから』の石井百合子、美術監督を『劇場版 花咲くいろは HOME SWEET HOME』の東地和生、音楽を『空の青さを知る人よ』の横山克が担当している。

　突然起こった製鉄所の爆発事故により全ての出口を失い、時まで止まってしまった町で暮らす中学三年生の正宗。いつか元に戻れるように、住人たちは変化を禁じられ鬱屈した日々を過ごす中、謎めいた同級生の睦実に導かれ、製鉄所の第五高炉へと足を踏み入れる。そこにいたのは喋ることのできない、野生の狼のような少女。2人の少女と正宗との出会いが世界の均衡を崩していき、日常に飽きた少年少女たちの恋する衝動が世界を壊し始める。

　本作について岡田監督は「少年たちが主人公の本作だが、甘酸っぱい青春物とは全力で逆走している、ヒリヒリした青春」を描いているとコメント。本作の制作に至った理由の1つとして「自分が子供の頃に憧れた邦画や劇場アニメの空気を、現代の文法で作ってみたい」という思いを明かし「抱いていた理想そのままに、どこか懐かしい、それでいてちょっと見たことがないような映像になってきている」と語った。

　そして、本作のメインキャストに榎木淳弥、上田麗奈、久野美咲が決定。主人公・菊入正宗役を『呪術廻戦』で主人公・虎杖悠仁を演じた榎木、謎めいた正宗の同級生・佐上睦実役を『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』でギギ・アンダルシア演じた上田、謎の少女・五実役を『サマータイムレンダ』でハイネを演じた久野美咲がそれぞれ担当する。

　公開された特報映像は、夕焼けが広がる空の下、光が反射する工場風景から始まる。14歳で時が止まった世界で主人公の正宗と同級生の睦実がいらだちをぶつけ合っている中、空がひび割れ、突如、少女の泣き声が響き渡り、風が吹き荒れるシーンが続く。何かの衝動のように映像が加速していく中、「退屈、根こそぎ吹っ飛んでいっちゃうようなの……見せてあげようか」という謎めいた睦実の声が聞こえ、“恋する衝動が世界を壊す”というフレーズで映像が終わっている。

　あわせて公開されたティザービジュアルには、光に手をかざす少女の後ろ姿が描かれている。彼女の髪の毛は色濃く、その毛先には空のひび割れが続いており、「この少女に近づいてはいけない」というキャッチコビーが添えられた。

　さらに、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』以来約10年ぶりとなる岡田の書き下ろし小説が、角川文庫より発売されることが決定。登場人物達の迷いや葛藤、誰かに強く惹かれていく気持ちなどが岡田自身の言葉で綴られている。そして、カバーイラストは、角川文庫版のみの限定カットで、光が差し込む製鉄所で正宗と睦実が佇んでいるイラストになっている。

岡田麿里（監督）コメント

『アリスとテレスのまぼろし工場』ですが、作品に関わってくれている多くのスタッフの情熱により、少しずつ作品の完成形が見えてきました。

この作品を作っている理由の一つに、自分が子供の頃に憧れた邦画や劇場アニメの空気を、現代の文法で作ってみたいというものがありました。抱いていた理想そのままに、どこか懐かしい、それでいてちょっと見たことがないような映像になってきていると思います。

少年たちが主人公の本作ですが、甘酸っばい青春物とは全力で逆走している、ヒリヒリした青春を描いています。皆さんに楽しんでいただけますよう、スタッフ一同頑張ります。なにとぞよろしくお願いいたします。

■公開情報
『アリスとテレスのまぼろし工場』
2023年9月15日（金）全国公開
原作・脚本・監督：岡田麿里
副監督：平松禎史
出演：榎木淳弥、上田麗奈、久野美咲
キャラクターデザイン：石井百合子
美術監督：東地和生
音楽：横山克
制作：MAPPA
配給：ワーナー・ブラザース映画、MAPPA
©新見伏製鐵保存会
公式サイト：https://maboroshi.movie︎