『ペンディングトレイン』最後は何人が元の世界へ? 第1話を見返して気になったポイント

 現在放送中の山田裕貴主演の金曜ドラマ『ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と』(TBS系)は、電車の1車両(もう1車両も行方不明)が荒廃した未来へタイムスリップし、乗り合わせていた乗客たちによる生き抜くためのサバイバル生活が幕を開ける、完全オリジナルのサバイバルストーリー。この“漂流教室的な展開”には、第1話放送時から『ロング・ラブレター~漂流教室』(2002年/フジテレビ系)を思い出す視聴者も多かったのではないだろうか。この未来で彼らが“アダムとイヴ”として新たな文明を築いていくのか、あるいは過去に戻ることができるのか、今後の展開を予想してみたい。

 今作のタイトルである「ペンディング」は、物語内や公式サイトの紹介文では、「遮断された」という意味として使われている。人気のない荒廃した未来に飛ばされ、電波も人気もない遮断された世界を表しているのだろう。また、さらにもう一つ意味があり、公式Twitterでは、「#ペンディングとは"宙ぶらりん"です」と説明がされている。時空を彷徨う“宙ぶらりんの電車”という意味もあるだろうが、今作に登場する、宙ぶらりんの感情を抱えた登場人物たちのことも指しているのではないだろうか。主人公・直哉(山田裕貴)にせよ、消防士の優斗(赤楚衛二)にせよ、過去に残してきた思いを抱えている。そんな彼らが極限状態に陥ったことで、自分を見つめ直し、成長し、一つの答えや覚悟を見出していくのだろう。それを思うと、このまま未来に“ペンディング”された状態でエンディングを迎えたら、過去への後悔が少なからず残るようになってしまう。

 改めて第1話を見直すと、冒頭のシーンで紗枝(上白石萌歌)が赤ちゃんを抱えて走り、タイムスリップの後の世界のダイジェストが流れる中、「愛する君へ。この世界は永遠に続くと思っていた私たちは、毎日にあきて、いらだって、けれど、そんな日常が一瞬で消えると知って、途方にくれた私に勇気をくれたのは……」と振り返るナレーションがある。このナレーションからも、最終的には未来から戻ってきたと考えるのが妥当であろう。

 ただ、第3話時点では、妊娠をしている女性や赤ん坊がいる気配はまったくない。単純に考えれば過去に戻ってきてから誕生したのだと思われるが、もしかしたら未来で子供を作り、何らかの犠牲を伴い、紗枝と赤ちゃんだけが過去に戻された。もしくは、紗枝以外の人物が妊娠出産をして、「この子だけでも」と託された可能性もある。

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