『あなたがしてくれなくても』みちと誠は単純な不倫ではない “セックス”は何を示す?

 甘えて、甘えて、甘えて……甘え続けた結果、みちも誠も、もうパートナーとどう接したらいいかもわからなくなってしまった。もしかしたら、すでにセックスしたいなんて思っていないのかもしれない。

 何度も伝えていたように、もともと彼らが欲しかったのはパートナーが自分を見てくれている、大切にしてくれている、愛してくれているのだと確認できる時間だったから。そして、それがセックスという行為が1番わかりやすかっただけのこと。

 どうもセックスの話題は「性欲」という言葉の持つイメージから、夫婦間でも茶化されたり、不純なもののような扱いをされてしまったりしいがちだ。だが、結婚相手に「愛されたい」「もっと大切にされていると感じたい」と求めることは、決して軽んじてはいけないと思う。

 もちろんセックスだけが愛を確認できるものではないし、むしろ陽一が衝動的に結衣花(さとうほなみ)と関係を持ってしまったように、そこに深い愛がなくても“できなくない”ものでもある。だからこそ、相手にとってセックスが何を示しているのか知ろうとする姿勢が必要なのだろう。特に結婚した相手、法的にもう他の人とセックスをしてはいけない縛りを持ったパートナーから、セックスについての話題が出たときにはなおさらだ。

 風邪のときに優しくしてもらってありがたいのも、美しい星を一緒に見られて楽しいのも、美味しいものを食べて笑顔になるのも、セックスをしてうれしいのも……。大事にされている。愛されている、そう常に感じられているからこそ。

 陽一や楓がみちや誠に甘えるだけ甘えて、自分がないがしろにされてようやく、いろいろと「してくれても」時すでに遅し、だ。しかし、それでもみちの心の中から陽一が消えていなかったことを踏まえると、2組の夫婦が再構築することもまだ不可能ではないのかもしれない。とはいえ、簡単な道のりではなさそうだ。

 単純に不倫に走った男女よりも、よっぽど強く結びついてしまったみちと誠がこれからどこへ向かうのか。そんなパートナーの変化に焦り、巻き返しを図ろうと必死な陽一と楓。さらに、どこか陽一に本気になりかけているように見える結衣花や、したたかに誠を狙い続けている華(武田玲奈)の出方も気になるところ。

 “愛されたい”と願いながら、相手を傷つけ、不器用にぶつかりながら、彷徨い続ける彼らを見つめながら、真に「愛される」とは何かを改めて考えさせられる。

■放送情報
木曜劇場『あなたがしてくれなくても』
フジテレビ系にて、毎週木曜22:00~22:54放送
出演:奈緒、岩田剛典、田中みな実、永山瑛太、さとうほなみ、武田玲奈、宇野祥平、MEGUMI、大塚寧々ほか
原作:ハルノ晴『あなたがしてくれなくても』(双葉社)
脚本:市川貴幸、おかざきさとこ、黒田狭
演出:西谷弘
プロデュース:三竿玲子
主題歌:稲葉浩志「Stray Hearts」(VERMILLION RECORDS)
挿入歌:稲葉浩志「ダンスはうまく踊れない」(VERMILLION RECORDS)
音楽:菅野祐悟
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/anataga_drama/
公式Twitter:@anataga_drama
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