ルカ・マリネッリ&アレッサンドロ・ボルギが『帰れない山』を語るインタビュー映像公開

 5月5日に公開される映画『帰れない山』の主演ルカ・マリネッリと、共演のアレッサンドロ・ボルギのインタビュー映像が公開された。

 本作は、世界39言語に翻訳され、数々の文学賞に輝いた小説『帰れない山』を映画化し、第75回カンヌ国際映画祭にて審査員賞を受賞した“大人の青春映画”。

 山麓の小さな村で、都会育ちの少年ピエトロと、同い年の牛飼いの少年ブルーノとが出会い濃密な時間を過ごす。やがて大人になった2人は再会し、お互いの心に寄り添いながらもそれぞれの道を進んでいく。北イタリアの雄大なるモンテ・ローザ山麓を舞台に、彼らの友情と成熟を描く。すべてを教えてくれた山と対峙し、それぞれが己と向き合い、葛藤しながら「自分の物語」と「ありのままの自分でいられる場所」を発見し成長していく。

 主人公のピエトロを演じたのは、『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』でダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞助演男優賞に輝き、『マーティン・エデン』では第76回ヴェネチア国際映画祭で男優賞に輝いたマリネッリ。親友のブルーノ役は、同じくダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で主演男優賞の受賞歴を持つボルギが演じた。

映画『帰れない山』インタビュー映像

 公開されたインタビュー映像には、マリネッリ、ボルギのインタビューと撮影風景が収められている。ボルギは原作について、「緩急のある語りで時間がゆったりと流れる奥深い小説だから、2人の主人公に惚れ込む必要がある。僕は速攻で惚れたね。友情や信頼を描いた物語はひときわ僕の心に響くんだ。映画の脚本を読んだ時も同じ感慨を覚えたよ」と語り、マリネッリも「原作は本当に素晴らしくて言葉にできないほど感動した。監督たちに会うの待ち遠しかった。著者のパオロ・コニェッティにもね」と続ける。

 撮影現場には原作の著者コニェッティも顔を出し、ボルギは「パオロは誠実な人ですぐに心を開いてくれた。彼に対してある種の責任を感じたんだ。原作の著者と対話しながら映画を撮るのは僕にとっては初めての経験だったからね」と振り返り、マリネッリは「脚本は原作にとても忠実でシンプルだけど深く心をえぐられる感動作だ」と絶賛。続けて、「語られているのは友情や恋愛感情、人間同士の絆や父親と母親と息子の関係、人間らしい絆といったものなんだけど、とりわけ途方もない友情に圧倒される」と本作の魅力を語った。

 そんな本作の物語について、ボルギは「10歳の時に出会う少年2人の真っすぐな歩みが描き出される。都会と山村という全く別の世界に属していて、20年の間に別れと再会を繰り返す」と説明し、男たちが紡ぎだす友情の尊さに言及。

 主人公の役柄について、マリネッリは「ピエトロは作家で、最初のうちは別の道を探してあがいているけど、そのあと他でもなくブルーノのおかげで感じたことや自分の物語を書こうという気になるんだ」と説明。ボルギも自身が演じた役柄について「ブルーノは山男だから子供のころから山の中で生まれ育ち、山とそのエネルギーの一部になっている。山から出ろと言われるたびに山への裏切り行為だと感じ踏み出せない。成長しても変わらず皆が去っても一人とどまる。山こそが自分の家だと思えるから」と語った。

 ボルギは「脚本で最も難しかったのは、原作の時間の流れが重層的だったこと。いくつもの夏と冬が過ぎていく、会わずにいた歳月と一緒に過ごした時間があって、それを映画で再現するのは難しかった。原作の持つ感情の躍動を失うことなく時間の流れを凝縮したわけだけど」と監督たちに称賛を送り、マリネッリも「監督たちの手腕は実に見事だった。小説から魂を抽出して別の世界で歩ませた」と太鼓判を押す。

 以前、クラウディオ・カリガリ監督『Non essere cattivo(原題)』でも共演し、友人役を演じた2人。お互いについて、ボルギは「ルカは兄弟のような存在だ。また共演できるのを待ちわびていたけど、共演するからにはそれに相応しい記憶に刻まれるような強烈な物語でないとね」とコメント。マリネッリは「まるでいつも手を取り合っているみたいに互いに鼓舞し合う素晴らしい関係が築けてる。前回共演したときからだ。今回は僕が彼に歩み寄り励まし支えようとする役だった。前回の共演の役割から逆転したのが興味深かったね。僕たちにとってはお互いの関係性の変化がとても刺激的でやりがいでもあった」と語った。

■公開情報
『帰れない山』
5月5日(金)新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座、シネ・リーブル池袋ほか全国順次公開
監督・脚本:フェリックス・ヴァン・フルーニンゲン&シャルロッテ・ファンデルメールシュ
原作:パオロ・コニェッティ『帰れない山』(訳:関口英子/新潮クレスト・ブックス)
撮影:ルーベン・インペンス
出演:ルカ・マリネッリ、アレッサンドロ・ボルギ、フィリッポ・ティーミ、エレナ・リエッティ
配給:セテラ・インターナショナル
宣伝協力:ポイント・セット
2022年/イタリア・ベルギー・フランス/イタリア語/1.33:1/5.1ch/147分/日本語字幕:関口英子
©2022 WILDSIDE S.R.L. – RUFUS BV – MENUETTO BV – PYRAMIDE PRODUCTIONS SAS – VISION DISTRIBUTION S.P.A.
公式サイト:www.cetera.co.jp/theeightmountains/

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