そして今回、実に活き活きと輝いているのが、超大御所女優のヘレン・ミレンだ。ヘレン・ミレンといえば御年77歳で、世界中で賞を獲りまくっている超大物女優である。輝かしいキャリアを持つが、同時に茶目っ気たっぷりな部分があり、「『ワイルド・スピード』に出たい！」と訴え続け、遂には『ワイルド・スピード ICE BREAK』（2017年）でゲスト出演を果たす。そして、いつの間にか同シリーズのレギュラーになり、新作にも普通に出てくるらしい。恐るべきフットワークの持ち主だが、本作でもその演技力と懐の深さは健在。悪の神様姉妹の長姉を威厳たっぷりかつ、笑わせるところでは吉本新喜劇ばりのズッコケ感で魅せてくれる。愛嬌たっぷりの少年少女らが主役の作品だが、実は彼女が本作で一番キュートだったかもしれない。

　続編という性質もあって、前作のような「新ヒーロー誕生！」のワクワク感は薄い。しかし「あの子たちの活躍がまた観たい」という観客の望みには、ちゃんと応える作品にはなっている。混沌とするDCユニバースだが、本作のような「普通に面白い映画」を作れる以上、まだまだ今後に期待していいだろう。

■公開情報
『シャザム！～神々の怒り～』
全国公開中
監督：デヴィッド・F・サンドバーグ
出演：ザッカリー・リーヴァイ、アッシャー・エンジェル、ジャック・ディラン・グレイザー、ジャイモン・フンスー、レイチェル・ゼグラー、ルーシー・リュー、ヘレン・ミレン
配給：ワーナー・ブラザース映画
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