妻夫木聡、ディーン・フジオカ、二宮和也 日曜劇場の“ダークヒーロー”を振り返る

 1話完結のオリジナルストーリーが展開される日曜劇場『Get Ready!』。日曜劇場では久しぶりの医療ものだが、「生きる意味」を問いただす、異色の医療ヒューマンドラマだ。“ブラック・ジャック”を彷彿とさせると話題になっている本作だが、これまでにも日曜劇場で登場してきた“ダークヒーロー”が活躍したドラマを改めて振り返りたい。

ダークな闇医者が話題! 『Get Ready!』妻夫木聡

 演出は堤幸彦が担当し、“闇医者”というスリリングなテーマで、生きることそのものを考えさせられるストーリーが展開している『Get Ready!』。

 妻夫木聡演じる“エース”こと波佐間永介は、表ではパティスリー「カーサブランシェ」のパティシエ、一方で、裏では法外な報酬と引き換えに超人的なオペ技術でどんな手術も請け負い、闇の最強医療チームを率いる絶対的存在である。パティスリーの地下には最新機器を取り揃えた近未来的なオペ室があり、他で見放された患者を対象にオペを行っている。この対象に孤高の波佐間は、ひとつ条件を足していて、「生き延びる価値はあるのかどうか」を条件としている。

 妻夫木は、爽やかな笑顔が似合う俳優で数多くの作品に出演し、バラエティで見せる人の良さも好評。今回の『Get Ready!』では、爽やかな笑顔は完全に封印し、これまで演じてきた役柄とは全く異なる“ダーク”な闇医者という役柄を演じている。また、藤原竜也演じる死の淵を彷徨ったことのあるジョーカーとの奥が深い関係性にも注目したい。

ミステリアスで危険な香りが漂う、『危険なビーナス』ディーン・フジオカ

 2020年10月期に放送された本作は、東野圭吾による同名小説を原作とした、とある失踪事件をきっかけに主人公が巨額の遺産をめぐる謎に挑むミステリー。主人公の獣医師・伯郎(妻夫木聡)のもとに「弟の妻」を名乗る謎の美女・楓(吉高由里子)が現れ、異父弟・明人(染谷将太)が失踪したことを聞かされる……。ディーン・フジオカは、連れ子として矢神家にやって来た伯郎を昔から見下している嫌味な男、矢神勇磨を演じた。

ディーン・フジオカが目指す、理想のダークヒーロー像 『危険なビーナス』をいま描く意義は?

日曜劇場『危険なビーナス』(TBS系)が10月11日より、ついにスタートした。ベストセラー作家・東野圭吾の同名小説を原作に繰り広…

 怪しい矢神家の中でも特に異彩を放っていた勇磨は、嫌味な男ながらも、ミステリアスでどこか魅惑的なキャラクターで、ディーンにとって抜群のハマり役であった。特に第2話は、本格的なミステリーへと話が進んでいき、それと同時に“悪”ディーン全開の回でもあった。視聴者の多くは、翻弄されていく伯郎に感情移入しながらも、どこか魅力的な勇磨に惹かれていったに違いない。

 ドラマの中ではバチバチな2人だが、実は、妻夫木とは同じ80年生まれで同学年。撮影現場では、旧来の友人のように打ち解けていたんだとか。勇磨VS伯郎による二転三転する騙し合いのストーリーのほか、ヒールなキャラクターでありながらも、“人を魅了する悪魔的なキャラクター”であったことは間違いない。

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