『社畜OLちえ丸日記』でひと笑い&リフレッシュ 多忙な毎日に少しでも自分時間を作ろう

 「社畜」という言葉が社会に浸透して、どのくらいになるだろう。一説によると1990年には流行語のひとつとしてピックアップされていたらしい。いやはや30年以上も、この言葉が蔓延していると思うと、なかなか変わらない現実にクラクラしてしまう。

 一般的に「社畜」とは会社に飼い慣らされ、サービス残業をはじめとする過酷な労働環境に身を置き、まるで奴隷のように働き詰める賃金労働者を「会社+家畜=社畜」と言われている。だが、もはや現代社会では会社員のみならず、誰もがみんなクタクタになるまで頑張っている気がする。

 会社勤めを始める前から学業に就活で大忙し。働きはじめたとしても、成果を出しながら、プライベートも充実させようと必死になる。いい出会いに恵まれて結婚したら、今度は家事や育児にあくせくして……と、「一体いつになったら楽になれるの?」なんて思いながら、誰もが必死に生きている。もはや「社畜」は「社会+家畜」のような気もしてしまうほどだ。

 いまや誰もが「社畜」といっても過言ではないかもしれない。ならば、そんな「社畜」生活を少しでも楽しく過ごしてもらいたい。そう願うショートドラマが、2月10日からHuluでスタートした。そのタイトルはズバリ『社畜OLちえ丸日記』だ。

 配信が開始されるやいなや、Huluの急上昇ランキングで1位を獲得。SNSでも「面白い」「励まされる」「共感できてまた頑張ろうと思える」「元気が出る!」とポジティブな感想が続々とつぶやかれており、早速多くの人の心を掴んでいることが伺える。

 本作の主人公は、優雅でおしゃれなバリキャリ営業OLを目指していた築丸ちえ子(玉城ティナ)。朝はゆっくりと白湯を飲み、朝日を浴びながらストレッチ。早めに出社して誰もいないオフィスでコーヒー片手にパソコンをカタカタ……なんてYouTubeのルーティーン動画のような日々を思い描いていたが、実際に入社した会社はブラック企業だったというのが、物語の始まり。

 始業時間よりかなり早めに出社しても「遅ーい!」と鬼上司・分倍河原(平山祐介)の怒号が飛ぶ。同僚はすでに出社して、体育会系の掛け声で気合を入れて数字を追う。いつしか「ちえ丸」というあだ名をつけられ、謎の挨拶コンテストという悪習慣にも巻き込まれていく。

 とはいえ、暗く辛い展開とはまた違うのも、このショートドラマのいいところ。お局のイヤミや先輩女性社員のドヤ顔……と、ちえ丸本人としてはたまったもんじゃないが、観ている分にはシュールで笑える。そんなコミカルな作りがだいぶ救いになっているのだ。

 しかも、ちえ丸はなんとかその生活に順応していこうと奮闘し、気づいたらYouTuberになっていた……というのも「そこに着地!?」とツッコまずにはいられない。ちえ丸のめげない心に加えて、ちょっぴりズレたところに「こういう頑張り方もあるんだ」なんて肩の力が抜ける。

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