日向亘が語る、『Get Ready!』の緊張感 『仮面ライダーリバイス』との違いも

 妻夫木聡主演のTBS系日曜劇場『Get Ready!』にて、若き万能ハッカー・白瀬剛人(通称:スペード)を演じている日向亘。

 2020年に俳優デビューし、2021年には『仮面ライダーリバイス』(テレビ朝日系)で高校生としては6年ぶりとなる仮面ライダーを演じ話題に。TBSドラマ、そして日曜劇場初出演で、大先輩である妻夫木、藤原竜也、松下奈緒らと共演を果たしている。

 日向が「毎朝、緊張してます」と明かす現場で受ける刺激や、妻夫木と藤原の20年ぶりの共演にかけて、20年先まで切磋琢磨していきたい存在について語ってくれた。

緊張していたら白瀬役は絶対にできない

――大先輩に囲まれて、クランクイン時にはとても緊張されたと思います。その緊張がほぐれた瞬間はありましたか?

日向亘(以下、日向):緊張がほぐれた瞬間……いや、今でも毎朝、緊張してます(笑)。午後になってくるとだんだんほぐれるんですけど、毎回リセットされるんですよね(笑)。それくらい、朝からみなさんが緊張感を持って撮影に臨んでいるっていうのもありますし。でも、クランクイン直後は本当にガチガチだったので、モニターで自分の芝居を見たときに緊張がお芝居に出てしまっている気がして、これはよくないなと。そう思ってからは、極力リラックスするように意識しています。わりと怖いもの知らずでズカズカものを言うキャラクターでもあるので、緊張していたら白瀬役は絶対にできないなと思ったので。

――緊張感も楽しめるタイプなんですかね? そうでないと、リラックスしようと思えば思うほど緊張してしまいそうです。

日向:たしかに(笑)。その緊張感を自分のものにして、逆に「ガッと行っちゃおう!」みたいなところはあるかもしれないです。

――ヒーロー作品経験者の方にインタビューすると、特有の演じ方がなかなか抜けないとおっしゃる方も多いですが、そのあたりはいかがですか?

日向:僕、よくその話を聞いていたからこそ、『仮面ライダーリバイス』をやると決まったときから、その癖をつけないようにしようと心がけていたんです。もともと僕の演じた役が、優秀で冷静沈着なキャラクターだったというのもあるんですけど、『仮面ライダー』以前の作品で培った土台をうまく生かしていこうと思っていました。もちろんオーバーな芝居を求められるシーンもありましたけど、基本的にはナチュラルな芝居を意識するようにしていたので、そういった意味での苦労は感じていないです。

――今回演じている白瀬の役作りについても聞かせてください。

日向:天才ハッカーなので「タイピングができないといけないな」と思って、スマホのキーボードをパソコンと同じ表記にしたんですよ。スマホを打つのがすごっく遅くなりましたけど(笑)、ローマ字入力に慣れていこうと思って。2週間くらいかけて多少できるようになったんですけど、実際撮影に入ったら一切使わないんですよね、文字を打たないから(笑)。メールを送るわけでもなく、ひたすら暗号を打つだけなので、言ってしまえばキーボードをバーッと打つだけで良かった。なので、あまり役には立たなかったですけど、形としては役作りしました(笑)。

――ふだんから、役を作る上で必ずやっていることはありますか?

日向:僕はいつも、声や話し方から作っていきます。そこからだんだんと表情だったりキャラクターが出来上がっていって、「こういう感じなのかな」と自分の頭の中で映像を再生するんです。映像の中でいろんなパターンでお芝居して、実際に声を出してみたりしながら台本を読んでいくようにしています。

――それは役者を始めた当初から?

日向:デビュー作(『太陽は動かない』)には原作があって、小説を読むと自然と頭の中に映像が浮かぶじゃないですか。そこからの癖なのか、僕は今でも小説を読むような感覚で台本を読んでいて。なんとなく画が浮かんでくるので、その中で自分がどう生きているのかを考えながらやっています。

――実際に現場に行くと、想像が崩れることもありますよね?

日向:そういうときは、すごくワクワクします。自分の想像が当たっていれば、それはそれで嬉しいし、想像と違うと「あ、こういうことにもなるのか!」って。それは、僕がお芝居してる中の楽しみの一つかもしれないです。現場に行く楽しさっていうか、自分が思い描いていたものと同じなのか、答え合わせができる……うん、そうですね。まさに今、僕がお芝居好きな理由が1個わかりました!(笑)

――(笑)。周囲からの反響もすごいと思いますが、SNSで印象的だった言葉はありますか?

日向:僕は10話をかけて、心を閉ざしていた白瀬が人の温かさを感じて、徐々に人間味のある少年になっていく姿を表現できたらいいなと思っていました。昨日の放送(第5話)後に「白瀬くんが1話のときよりも物腰が柔らかくなったように見えた」という感想をもらったときに、自分の狙い通りのものがしっかりと視聴者の方に伝わっているんだと感じられて、すごく嬉しかったです。

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