有村架純、中村倫也らの秘蔵映像も!?　『石子と羽男』てんこ盛りな特典の粋な作りにニヤリ

　また、有村もそんな中村のアドリブに食らいついていくのが面白い。有村のインタビューでは、台本を読み自分が想像していた状況とは違うこともあるが、そのまま楽しんでいくことを意識しているという旨の話もあった。そのやりとりを微笑ましいと思える監督がいて、その愛でる視線がそのまま視聴者に届いた。そう思うと、これほど2人のコンビネーションが愛されたのも納得だ。

　それぞれの役を生きた2人に対して、役作りをせずに撮影に臨むと話していたのが、初の連続ドラマレギュラー出演となったさだまさし。石子の父・綿郎を演じたさだは「僕のセリフは2行までね」なんて言っていたにもかかわらず、1話から脚本には書いていない自然な動きもマスターしていたという。さらに、話を重ねるほどに「どこからセリフを返そうか？」と頼もしいやりとりが出て監督が驚いたというエピソードもあった。

　ディレクターズノートには、そうしたキャスト陣の魅力に加えて、撮影現場であった様々なトラブルも記載されている。“あのシーンを撮るのにこんな苦労があったなんて”と噛み締めながら本編を見返すと、また違った感情が込み上がってくるものだ。

　そんなアドリブ満載で臨機応変な撮影現場で、監督があえて細かく指示を出したというのが、何かと事件に巻き込まれる青年・大庭を演じた赤楚衛二だった。それだけ“どこか憎めず、放っておけない”という愛されキャラを描くのは難しいのだろう。その裏側を知るほどに大庭が、そして大庭を演じた赤楚がさらに愛しくなる。

　さらに、身近な事案を手掛けるリーガルエンターテインメントという特徴から、特典映像には塩崎を演じたお笑い芸人のおいでやす小田が進行を務める『潮法律事務所別館―そんなコトで訴えんのかーい！？―』というコーナーも。本作の法律監修を務めた國松崇（東京リベルテ法律事務所）氏を招いて、実際に起きた裁判を見ていくのだが、「そんなことで訴える人いるの？」「その判決ってどうなの？」なんて誰かと話したくなることばかり。気づけば、法律が遠いものではなく、自分たちの身近にあるべきものだと感じられた。

　ブックレットで塚原監督は「“視聴者が知らなかったことを知るきっかけになる”ことがテレビドラマの役割の一つであると思う」と語り、新井プロデューサーは「私自身、テレビドラマから世の中のことを知ることが多々あります」と語っている。視聴者が世の中を生き抜くために少しでも役立てたら……。面白いドラマを届けたいという作品愛はもちろんのこと、それを観る視聴者への愛も感じられた本作のBlu-ray＆DVD BOX。楽しく、私たちの生活を守る武器を知る。そんな視点でも手にとってみるのもおすすめだ。

■リリース情報
『石子と羽男―そんなコトで訴えます？―』
2月10日（金）Blu-ray＆DVD-BOX発売

【Blu-ray‐BOX】
TCBD-1337
価格：29,040円（税込）
【仕様】2022年／日本／カラー／本編480分＋特典映像224分／16：9 1080i High Definition／2層／音声：リニアPCM 2chステレオ／日本語字幕（本編のみ）／全10話／4枚組（本編ディスク3枚＋特典ディスク1枚）

【DVD‐BOX】
 TCED-6724
価格：22,990円（税込）
【仕様】2022年／日本／カラー／本編480分＋特典映像224分／16：9LB／DISC1～5・7：片面1層、DISC6：片面2層／音声：ドルビーデジタル2chステレオ／日本語字幕（本編のみ）／全10話／7枚組（本編ディスク5枚＋特典ディスク2枚）

＜特典映像＞
・制作発表
・ナビ完全版
・インタビュー集
・有村架純＆中村倫也インタビュー
・石子と羽男ハプニング＆未公開シーン集！―そんなコトで訴えないで！―
・潮法律事務所別館―そんなコトで訴えんのかーい！？―
・オールアップ集
・SPOT集
・Paraviオリジナルストーリー 塩介と甘実―蕎麦ができるまで探偵―
・塩甘コンビSPインタビュー　
・塩介と甘実―蕎麦ができるまで探偵― 特別編

＜封入特典＞
ブックレット（演出陣の各話解説“ディレクターズノート”を掲載）

※本編全話をディレクターズカット版にて収録

出演：有村架純、中村倫也、赤楚衛二、おいでやす小田、さだまさし
脚本：西田征史
音楽：得田真裕
主題歌：RADWIMPS「人間ごっこ」（Muzinto Records / EMI）
プロデュース：新井順子
演出：塚原あゆ子、山本剛義
製作：TBSスパークル、TBS
発売元：TBS
発売協力：TBSグロウディア
販売元：TC エンタテインメント
©TBSスパークル／TBS