西島秀俊、刑事役はただの原点回帰じゃない? 『警視庁アウトサイダー』の新たな刑事像

 無骨で荒々しさも滲むサングラスにダブルのスーツ姿の西島秀俊が拝める新ドラマが始まる。1月5日からテレビ朝日系で放送開始となる『警視庁アウトサイダー』だ。

 本作で西島が演じるのは、警視庁で暴力団対策を担ういわゆる“マル暴”から、とあるトラブルに巻き込まれ警察署の刑事課に左遷された刑事・架川英児。こう聞くと『ダブルフェイス』(TBS×WOWOW)、『MOZU』(TBS×WOWOW)で刑事役を好演していたことが思い起こされるが、ここのところマイルドな役柄や不器用さが滲む役が続いていたように見受けられる西島にとって、今回のキャラクターは新鮮に映る。

 『ユニコーンに乗って』(TBS系)では48歳のおじさん部下・小鳥役を、朝ドラ『おかえりモネ』(NHK総合)ではヒロイン・百音(清原果耶)の気象予報会社の上司・朝岡役を熱演し、いずれも頼り甲斐がありフラットな目線で周囲に対する配慮が光るバランスの良い役柄を担った。見るからに安心感、安定感のある人物で、それぞれの組織の支柱として機能し、ヒロインが弱みを見せられる数少ない存在として物語の鍵を握っていた。

 内野聖陽とW主演を務めた『きのう何食べた?』(テレビ東京系)では、弁護士の“シロさん”こと筧史朗役を好演し、几帳面で料理上手、少し言葉足らずなところがあるものの、恋人のケンジ(内野聖陽)を想う不器用な愛情が滲む朴訥なキャラクター像を見事立ち昇らせた。西島が演じる役柄は、大切な存在との距離の取り方に慎重で敏感、そして臆病な一面が垣間見えることが多い。これは思慮深さを一瞬にして見せられる西島の為せる業に他ならないだろう。

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