“なにわバードマン”は“塩軍団”に続く? 『舞いあがれ!』で朝ドラの青春パートを牽引

 連続テレビ小説『舞いあがれ!』(NHK総合)の第5週となる「空を飛びたい!」が放送された。舞(福原遥)は怪我を負った由良(吉谷彩子)の代わりにパイロットに志願する。飛行距離世界記録に挑戦すべく、過酷な減量とトレーニングに挑む舞の姿と、なにわバードマンの部員たちの強い団結力は朝から視聴者に活力を与えてくれた。

 第4週から本格的に登場したなにわバードマンの面々は、この2週間で瞬く間に視聴者の心をつかんだ。人力飛行機の設計という専門的な分野への知識、論理的なアプローチが必要な冷静さと、熱い志しを持って前進するメンバーの背中には、つい一緒に夢を乗せたくなってしまう。部員たちにはそんな勢いがあるのだ。

 だが、彼らも一枚岩でやってきたわけではない。なにわバードマンは年に一度のイカロスコンテストの不合格通知を受け取ることになる。気持ちを切り替えて挑むはずの記録飛行だったが、今度はテストフライトで由良が大怪我を負ってしまった。そこからスワン号のテスト飛行を実現するまでには、言いつくせぬほどの苦労があったのだ。顔をゆがめながら過酷なトレーニングをする舞の姿、意見がまとまらず声を荒げる部員たちの姿、そこから少しずつ結束を取り戻していく様子。それらを全部知っているからこそ、舞を乗せたスワン号が飛び立つ時には私たちも祈るような気持ちであった。

 そこには、舞が自ら決意してパイロットに志願するという頼もしさや、厳しくも優しい由良との出会いと絆、刈谷(高杉真宙)や鶴田(足立英)ら心強い先輩部員たちとの交流など様々なエピソードが描かれた。なにわバードマンとの交流は、さらなる高みに向かう舞を支える大切な経験となったことだろう。

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