宇野維正の興行ランキング一刀両断!

興収100億円超えが2作品 2022年の夏休み興行「勝ち組」と「負け組」

 気がつけば来週の途中からもう9月。度合いこそ違えど、3年続けて新型コロナウイルスにも翻弄された夏休み興行も今週末が最後。作品による明暗もはっきりしたので、ここで一度振り返っておこう。ちなみにタイトルでは「勝ち組」と「負け組」としているが、正確に言うと「超勝ち組」と「やや勝ち組」と「負け組」の3つに分かれる。

 「超勝ち組」は2作品。先週末も動員55万9000人、興収8億1800万円をあげて3週連続で動員ランキング1位となった『ONE PIECE FILM RED』。先週末の時点で動員665万1711人、興収92億8136万5450円を記録していて、この週末に入る前にも興収100億円を突破したことが発表される見込みだ。8月27日からは、入場者プレゼント第3弾として「『ONE PIECE』コミックス巻4/4“UTA”」が全国300万部限定で配布されることも決定して、まだまだ記録を大きく伸ばしていくだろう。

 もう1作品の「超勝ち組」は5月公開作品にもかかわらず、夏休みシーズンに入ってからもほとんど客足が衰えなかった『トップガン マーヴェリック』。なんとここにきて先週末は前週5位から3位へと再浮上して、先週末までに動員724万2446人、興収114億5841万9610円を記録している。

 数字だけ見れば十分に「勝ち組」だが、シリーズ作品として前作との比較で下降傾向が見られたため「やや勝ち組」とさせてもらいたいのが、先週2位の『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』(24日間の累計興収49億8811万3300円)、4位の『ミニオンズ フィーバー』(38日間の累計興収38億6074万4680円)、6位の『キングダム2 遥かなる大地へ』(38日間の累計動興収44億7935万6500円)の3作品。特にファミリー層の観客も多い『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』と『ミニオンズ フィーバー』は新型コロナウイルス感染拡大の影響も考慮しなければいけないが、3作品とも前作超えは果たせそうにない。

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