佐藤二朗&堀内敬子、『鎌倉殿の13人』最終シーンに込めた思い 「憎悪の火を燃やして」

 毎週日曜日に放送されているNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』より、佐藤二朗と堀内敬子のコメントが公開された。

 NHK大河ドラマ第61作目となる本作の舞台は、平安時代後期から鎌倉時代初期。義兄でもある鎌倉幕府初代将軍・源頼朝(大泉洋)にすべてを学んだ二代目執権・北条義時(小栗旬)を主人公に、武士の世を盤石にした彼の生き様、翻弄された周囲の人々を描き出す。脚本を『新選組!』『真田丸』に続き大河ドラマ3作目となる三谷幸喜が手掛ける。

 第31回「諦めの悪い男」では、北条と激しく争ってきた比企一族に運命の日が訪れた。比企能員を演じた佐藤は、「僕はとにかく北条の親子と憎しみ合う役ですから、役者としてふだんは仲がいいんですけど、カメラが回っているときには当然、激しい憎悪の火を燃やして、最後までやり切ろうと思ってやっていました」と最期のシーンについて振り返った。

 一方、能員の妻・道役の堀内は、「とにかく“強い母親”という感じは意識しました。死ぬことに関しても悔いは全然ないし、能員が死んだ時点でもう、生きてはいられないという気持ちもあったと思いますし」と道の心境を分析して、撮影に臨んだことを明かした。

佐藤二朗(比企能員役)コメント全文

死ぬシーンは大事だと言われるんですが、その前の時政と二人っきりのシーンとか、あるいは第30回の、廊下を挟んで義時と二人で対峙し、そのあと善児が出てくるシーンとかの方が、僕としては大事なように思っていたんです。
それでも最期の、今撮影したばかりの死ぬシーンのリハをやったら、小栗義時と、坂東彌十郎さん演じる時政の親子がすごくいろいろ、僕より真剣に提案しているんですよ。「ここは俺が刀を抜きたい」とか「俺が口で言って」とか小栗が言ったり、彌十郎さんも「こういうやり方もある」と言ったりして、いろんなことを提案してくれて。演出担当の若い保坂(慶太)監督も、こっちが思ってもいないような演出をしたり、プロデューサーの清水(拓哉)さんもいろいろ提案してくれたりというのを見て、僕が死ぬのに周りの人の方が積極的で、ハッと思ったんですよね。前の時政との二人のシーンや義時との二人のシーンの方を、大事に、というとあまりよくないけど、そういうふうに思っていたのに、なんだか周りがすごく積極的で。「いかんいかん!もっと高みを目指さなきゃ」ってTwitterに酔っ払って書いちゃったんですけど、そういう気持ちになれてうれしかったんですよ。俳優って、どの仕事もそうだけど、ひとりでやっている仕事じゃなくて、共演者や周りのスタッフに押し上げられるというか、「おいおい、もっと来いよ!」と引っ張られるような感覚になるときが、俳優をやっていると確かにあるんです。それを味わって、うれしくて備忘録で書いておきたいと思って、酔っ払って書いたらニュースになってしまったんですけど(笑)
それは余談だとして、僕はとにかく北条の親子と憎しみ合う役ですから、役者としてふだんは仲がいいんですけど、カメラが回っているときには当然、激しい憎悪の火を燃やして、最後までやり切ろうと思ってやっていました。

堀内敬子(道役)コメント全文

館に攻め込まれたシーンについて

能員が時政のもとに鎧を着ていかなかったことを、道はそこまで不安に思っていなかったけれども、「やっぱりやられたんだ」という、予想をちょっとしかしていなかったことが目の前に起こったという感じ、驚きの方が大きかったかなと思います。このシーンの撮影が始まる前に、偶然ですけど北条方が攻めてくるシーンの映像が流れていて、それを見られたので「こんな感じで攻めてきているんだ」というのが分かって、より一層、自分の心に緊迫感を増すことができたかなと。普通だと見ないままやることが多いですけど、ちょっと攻め手の声が聞こえたり、そういうのを流してくださったのを見たりしたので、すこし気持ちは高まったと思います。

道の最期

とにかく“強い母親”という感じは意識しました。死ぬことに関しても悔いは全然ないし、能員が死んだ時点でもう、生きてはいられないという気持ちもあったと思いますし。ただ、みんなが本当に逃げ延びられるのかも分からないから、そこはちょっと不安なところはありますけど、自分のやることをやって、みんなを逃がして引き止めるという、その強さが出ればいいなという感じはありました。

■放送情報
『鎌倉殿の13人』
NHK総合にて、毎週日曜20:00~放送
BSプレミアム、BS4Kにて、毎週日曜18:00~放送
主演:小栗旬
脚本:三谷幸喜
制作統括:清水拓哉、尾崎裕和
演出:吉田照幸、末永創、保坂慶太、安藤大佑
プロデューサー:長谷知記、大越大士、吉岡和彦、川口俊介
写真提供=NHK

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