『私の解放日誌』で遅咲きブレイク! ソン・ソックが圧倒的な存在感を放つ韓国ドラマ6選

『恋愛体質〜30になれば大丈夫』

『恋愛体質〜30になれば大丈夫』(JTBC公式サイトより)

 30代に突入した、子どもじゃないけど大人になりきれない3人の女性を描いた物語。新人脚本家の主人公が、過去を抱えた映画監督や制作会社で働くシングルマザーと同居する日々を映し出していく。本編では、3人の友情・仕事・恋愛がリアルで名台詞が多く、急に涙が溢れたり笑い転げたりと観ている側の感情は大忙しだ。本作は、映画『エクストリーム・ジョブ』のイ・ビョンホン監督が手がけている。

 撮影現場で声を荒げブチ切れる監督を演じるのが、ソン・ソック。一見怖い役柄に見えるのだが、すぐに言い負かされてしまうお茶目な一面も垣間見える。独特の間を空けた話し方と色気漂う空気感が印象的で、"抱きしめましょうか"という神シーンは、是非観ていただきたい。また、過去のソン・ソックの出演作を意識したのでは……と思ってしまうセリフの数々も見逃せない。

『マザー〜無償の愛〜』

『マザー〜無償の愛〜』(tvN公式サイトより)

 虐待を受ける少女を救うため、連れ去ることを決意した女性の逃避行を描く物語。綱渡りのようなヒューマンサスペンスで、第54回百想芸術大賞テレビ部門では作品賞を受賞。本作は、坂元裕二が脚本を手がけた日本のドラマ『Mother』(日本テレビ系)のリメイク作となる。傷だらけの少女と女性が、数々の困難を乗り越えながら親子としての絆を深めていく姿は、涙なしにみることができない。

 ソン・ソックは、子どもとその母と同居する男性イ・ソラクを演じる。気に食わないと子どもを虐待する残虐的な役柄だ。気だるそうで、暴力的で、ソラクが登場する度に観る人を震え上がらせるような威圧感を放つ。そんなソラクもまた、トラウマを抱える設定だ。自分を責めながら暴走していく姿は、やりきれず目に焼き付いて離れない。劇中では、苦しみの中でもがき続けるようなソン・ソックの演技を観ることができる。

『最高の離婚~Sweet Love~』

『最高の離婚~Sweet Love~』(KBS公式サイトより)

 結婚や人生、家族に悩む2組の夫婦を描いた物語。本作もまた、坂元裕二が脚本を手がけた日本のドラマ『最高の離婚』(フジテレビ系)のリメイク作だ。価値観が合わず離婚を決めた夫婦と、夫の浮気を見て見ぬフリする夫婦が、本音をさらけ出しながらお互いに向き合っていく。“終わったはずの恋愛”にスポットを当て、台詞の掛け合いによって物語が展開していくのが面白い。

 ソン・ソックは、何を考えているのか摑みどころのない夫ジャンヒョンを演じる。美大の教授で、浮気は日常茶飯事。幸せが壊れてしまうことが怖くて、本気で誰かに愛されることも愛することも避けてしまうようなキャラクターだ。そんな彼が、大切な何かに気付き、変化していく過程が見どころの一つ。序盤は謎めいて見えるが、回を重ねるごとに無邪気な少年のような一面や子犬のような愛らしい姿が見られ、ソン・ソックの可愛さが爆発している一作だ。

 どの作品も、ソン・ソックらしさがあるが、全て違って見えるのが凄いところ。役柄に合わせた喜怒哀楽や、印象的な目の演技に、気付けば沼ってしまう。独特の空気感と色気をまとった彼の次回作が、待ち遠しくて堪らない。

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