『私の解放日誌』で遅咲きブレイク! ソン・ソックが圧倒的な存在感を放つ韓国ドラマ6選

 全身から色気が溢れており、冷たさと温かさを自由自在に表現する唯一無二の俳優といえば……今注目のソン・ソック。『私の解放日誌』では、謎めいた男性ク氏を演じ話題を集めた。本記事では、数々の作品で圧倒的な存在感を放ってきた彼の出演ドラマを紹介したい。

『私の解放日誌』

『私の解放日誌』(JTBC公式サイトより)

 心にしがらみを抱えた男女が、今この瞬間を“歓待”しながら生きる意味を探そうとする物語。舞台は、ソウルから離れた京畿道のサンポ市という架空の街。そこに、3人の兄妹が両親と暮らしていた。“不幸ではないけれど、幸せでもない”。そんな日々に疲れながらも、毎日電車に揺られ通勤し、解放されたいと願う。本作は、自分自身と向き合い、今を受け止めながら前へ進んでいく姿をゆっくりと丁寧に描いた人生ドラマだと思う。

 昼は無口で働き続け、夜は1人で酒を飲む。とにかく謎に包まれた男性ク氏を演じるのが、ソン・ソックだ。劇中では、最終話の手前まで、本名が明かされない。そのため、ク氏について知らないことの方が多いのだけれども、なぜか目が離せない。その理由は、鋭い目つきと柔らかくなる瞬間のギャップ、何度も聞きたくなるミジョン(キム・ジウォン)を呼ぶ声、ただそこにいるだけで溢れ出てしまう色気など、中毒性のあるものばかりだ。5分間の積み重ねで少しずつ変化していくク氏を、最後までたっぷりと堪能いただきたい。

『D.P. -脱走兵追跡官-』

『D.P. -脱走兵追跡官-』Netflixにて配信中

 事情を抱えた脱走兵と、彼らを追う追跡官を描いた物語。第58回百想芸術大賞テレビ部門では作品賞を受賞、既にシーズン2の制作も発表されている。ただ追跡する姿を描くというよりも、過酷な状況の中で鉄格子を超える選択をした脱走兵達の意図を辿っていくような一作。誰にも頼ることができず、追い詰められていく展開は、とにかく苦しく胸が痛い。心を蝕み人格までもを変えてしまう環境下に焦点を当てながら、もし自分だったら? と視聴者に問いかけてくるような作品で、エンドロールは最後まで見逃せない。

 新任の補佐官イム・ジソプ大尉を演じるのが、ソン・ソック。部下には威圧的で、上司には調子の良い役柄だ。目の前で起こる出来事の数々や上司の考えに、複雑な表情を浮かべ始めるのが見どころの一つ。葛藤の末にどんな答えを出すのか、その時の彼の表情の変化も見逃せない。

『サバイバー:60日間の大統領』

『サバイバー:60日間の大統領』(tvN公式サイトより)

 元学者の男性が、ある日突然60日間だけ大統領代行を任されることとなるノンストップサスペンス。ジェットコースターのような作品で、危機的状況が落ち着いたかと思えばすぐに新たな出来事が発生し、息つく間もない。代行として常に二択を迫られながらも、最善を尽くそうと奮闘する主人公の姿が見どころの一つ。また、周囲を取り巻く登場人物と一つのチームを作っていく過程が素晴らしく、どのシーンも胸が熱くなる。

 ある事件以降、“大統領にしたい人を見つけたか?”という問いに悩み続ける秘書室長を演じるのが、ソン・ソック。正義感があり、自分を責めながら過去の出来事を後悔している男性だ。最初こそ代行のことを信頼しきっていなかったが、その関係性は物語を追うごとに劇的に変化していく。情熱的で、義理堅く、気になったことは真正面から切り込みながら代行を支える姿は、涙なしに見れない。“いい人が勝つのを見たい”。その一心で、喜怒哀楽する彼の演技を、これでもかというほどに味わえる一作だと思う。

関連記事