『東京リベンジャーズ』アニメ版再放送で1期の衝撃を再び 熱狂を生む“成長物語”を解説

 マンガ、アニメ、実写映画と、破竹の勢いで人気コンテンツへと成長した『東京リベンジャーズ』。2021年9月に大注目の中終了したアニメ第1期の再放送が、7月から開始している。アニメ派の多くの人は第1期の結末に度肝を抜かれただろうし、原作を読んで先の展開を知っていた人は、そのリアクションを見てほくそ笑んでいたのではないだろうか。アニメの衝撃の結末を観て改めて見返そうと思った人、アニメ再放送を期に初めて観てみようと考えた人に向けて、改めて『東京リベンジャーズ』の見どころを紹介したい。

『東京リベンジャーズ』公式サイトより

 まず、ストーリーをおさらいしよう。フリーターとして生活する26歳の花垣武道(タケミチ)は、ニュースで中学時代の唯一の彼女・橘日向(ヒナタ)が事故で亡くなったことを知る。その日、タケミチは何者かに駅のホームから突き落とされ、気づくと12年前の中学時代にタイムリープしていた。ヒナタを救うため、そして自分自身の人生をやり直すため、タケミチは悪党連合“東京卍會”を巡る抗争に身を投じていくことになる。

 本作の大きなポイントの一つはタイムリープものであること。ヒナタの弟・橘直人(ナオト)との握手でタイムリープできることを掴んだタケミチは、ヒナタの死の原因となる出来事を回避するために、過去へと戻って奮闘する。そして、1つのミッションを達成すると12年後の現在に戻り、どう変化したかの答え合わせを行う。それを繰り返すことで、タケミチは少しずつ未来を変えていく。

 残酷なのは、このタイムリープが必ずしもいい結果を生むわけではないということ。ミッションを達成しても、思ったような未来に変わっていないこともあれば、時には予想だにしない残酷な結果が待ち受けていることもある。どうやって過去の出来事を変えるのか? その結果、どんな未来が待ち受けているのか? 常に先が気になる要素が散りばめられた息つく暇もない展開に、気づけば引き込まれているはず。

【動画】『東リベ』タイムリープ設定の面白さ ドラケン、三ツ谷など推しキャラ考察も

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 『東リベ』の次なる魅力は、なんといってもキャラクターの個性が豊かで、魅力的であること。例えば、作品に触れたことがない人でも耳にしたことのある人は多いであろう、「マイキー」こと佐野万次郎。小柄な体に大きな目、ミディアムヘアーをポンパドールにしたかわいらしい見た目のマイキーは、東京卍會の総長。その見た目とは裏腹に、大男を一発で沈める核弾頭のような蹴りを放ち、圧倒的なカリスマ性でチームをまとめる人物である。それでいて、お子様ランチに旗が立っていないと怒り出すような子供らしい一面も持つ。キャラクターの魅力を引き立てる大きな要素の1つがギャップというのはよく言われることだが、マイキーはまさしくギャップの鬼である。

 そして、マイキーの腹心である副総長・ドラケンこと龍宮寺堅。長身にべん髪、頭には龍のタトゥーを彫り込んだ、見るからにいかつい男である。強面で腕っぷしも強いが、不良以外の無関係の人を抗争に巻き込まないという筋の通った姿勢や、チームをまとめる冷静さ、奔放なマイキーの世話を甲斐甲斐しく焼く面倒見のよさもある。そして、そんな2人が揃った時の、小さなマイキーがいかついドラケンを引き連れている構図も、2人のキャラクターを知っていればこそぐっとくるものがある。

 その他にも、東京卍會をはじめいくつもの不良グループの面々が登場するが、みなビジュアル、性格共に非常に個性豊かで濃いキャラクター揃い。そして、敵味方かかわらず、それぞれに貫く信念がある。気に入るキャラクターが、きっと1人は見つけられるはずだ。

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