『野火』今夏に8年目のアンコール上映が決定 塚本晋也監督「特別なものになる」

 塚本晋也監督作『野火』が、渋谷・ユーロスペースほか全国にて今夏にアンコール上映されることが決定した。

 戦後70年にあたる2015年に初公開した塚本監督の『野火』。構想から20年の歳月をかけ完成させ、2014年にヴェネチア映画祭メインコンペティション部門出品、翌年の2015年に全国83館で劇場公開。その後も、製作当初から「『野火』を毎年終戦記念日に上映されるような映画にしたい」という塚本監督の思いに共感した劇場にて、毎年アンコール上映を重ねてきた。

 第2次世界大戦末期のフィリピン・レイテ島。日本軍の敗戦が色濃くなった中、田村一等兵(塚本晋也)は結核を患い、部隊を追い出されて野戦病院行きを余儀なくされる。しかし負傷兵だらけで食料も困窮している最中、少ない食料しか持ち合わせていない田村は早々に追い出され、ふたたび戻った部隊からも入隊を拒否される。そしてはてしない原野を彷徨うことになるのだった。空腹と孤独、そして容赦なく照りつける太陽の熱さと戦いながら、田村が見たものは……。

 また、アンコール上映に先駆けて、7月5日の20時30分より『野火』のメイキングである「塚本晋也解説『野火』20年の軌跡」の無料オンライン上映会が塚本監督のQ&A付きで実施されることも決定した。申し込みは、6月28日20時より受付開始する。

塚本晋也監督

実際の戦争が激しさを増し、様々な思いが様々な形で渦巻く時代となりました。
戦争に近づかないためにできることーー。
そのことを考えるとき、まず、この『野火』を観ていただきたいと思います。
そして考えるきっかけにしていただけたらと思います。
最初の上映からまる7年を経過した8年目の『野火』。
共感してくださった劇場さんが、今年もこんなにたくさん上映をしてくださいます。改めて感謝と驚きを感じています。
劇場での体験は、特別なものになると確信します。
今年もよろしくお願いいたします。
塚本晋也

■公開情報
『野火』
今夏、渋谷・ユーロスペースほか全国にてアンコール上映
原作:大岡昇平『野火』
出演:塚本晋也、リリー・フランキー、中村達也、森優作
監督・脚本・撮影・編集・製作:塚本晋也
2014年/日本/87分/PG12
製作:海獣シアター
配給:新日本映画社
(c)SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER
公式サイト:http://nobi-movie.com/

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