『私たちのブルース』シン・ミナの命を救うイ・ビョンホン ホシクとイングォンの傷跡も

 Netflixで配信中の『私たちのブルース』は、14人の主人公が登場するオムニバスドラマ。4つ目のエピソードでは、目を合わせればいがみ合う仲のパン・ホシクとチョン・イングォン、それぞれの子である高校生のパン・ヨンジュ(ノ・ユンソ)とチョン・ヒョン(ペ・ヒョンソン)との親子関係が描かれた。

 ホシクを演じるのはチェ・ヨンジュン。『ヴィンチェンツォ』のチョ社長や『賢い医師生活』のポン先生役が記憶に残っている人もいるだろう。イングォンを務めるパク・ジファンは、『犯罪都市』でインパクト強めな丸坊主のヤクザを演じていたが、本作でも元ヤクザの父親役がハマっている。

 第5話でヨンジュの妊娠が発覚し、産むことに決めたヒョンとヨンジュ。もしものためのプランAとBを立て、私たちなら乗り越えられるという希望を抱くが、猛反対する父親たちから言い放たれる「俺はお前の親で保護者だ」「人生は思いどおりにいかない」と言葉どおりの現実を突きつけられる。どんな台風でも必ず過ぎるけれど、過ぎた後に大きな傷跡を残すものがあることをヒョンとヨンジュはまだ知らない。

 ホシクは放心状態になりイングォンは荒れ狂うが、そこには大切に育ててきた子に自分たちと同じ傷を負ってほしくない思いがあった。子どもを残して妻に家を出て行かれた2人は、並々ならぬ苦労でここまできたのだ。幼いヨンジュをおぶりながら仕事していた頃のホシクは周りから後ろ指を指され、イングォンは妻に捨てられた傷が癒えていない。ヨンジュも心ないことを言われるかもしれない、ヒョンもヨンジュに捨てられるかもしれない、自分たちの経験を子どもたちの将来に重ねてしまったのだろう。子どもにもつらい思いをさせたい親などいないのだから。自分を責める父親も、一番味方でいてほしい人に反対される子も、誰も悪くないからすごく苦しい。

 15年前、ホシクとイングォンはお互いのピンチを助けあってきた仲間だったことが明かされる。ホシクがイングォンを遠ざけるようになった原因は、イングォンがかけた言葉にあった。頼りにしていた人だからこそ裏切られた気持ちにもなり、傷が何倍も深くなっていたのだ。ところがイングォンは、ホシクが自分を嫌う理由を知らず、聞くこともせず今日まできた。

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