『カムカムエヴリバディ』にも影響が? 日本が舞台の2000年代前半のハリウッド映画

 『サムライ・ベースボール』にも、何百人規模の日本の俳優たちが出演するということで、大規模なオーディションが実施されるが、これを聞いた時、やはり『ラスト サムライ』が頭に浮かんだ。武士道を描く時代劇アクション映画の『ラスト サムライ』には、武士役や政府軍の兵士役を演じる500名ほどの日本人エキストラがオーディションで集められたという。『カムカムエヴリバディ』で描かれる『サムライ・ベースボール』の元ネタは、タイトルに“ベースボール”が付いていても、やっぱり『ラスト サムライ』が濃厚なのではないだろうか。

 『ミスター・ベースボール』に出演した高倉健は、同作以前にも日本を舞台にした1989年のハリウッド大作映画『ブラック・レイン』でも活躍したが、『ブラック・レイン』のキャスティングも非常に興味深い。松田優作の遺作として知られる同作で、彼が演じたヤクザの佐藤役のオーディションには、松田優作のほかに萩原健一、根津甚八、小林薫、遠藤憲一、そして『カムカムエヴリバディ』のキャストである世良公則も参加したという。

 島木譲二が射止めた子分役のオーディションには、木村祐一や今田耕司といった芸人も参加。オーディションではコメディアンとしてギャグを披露することも要求されたという話もあるが、『ブラック・レイン』にはお笑い要素は全くないので、オーディションは一筋縄ではいかないものだということが分かる。同作の監督は巨匠リドリー・スコットで、大阪でロケが行われた。『サムライ・ベースボール』は、同じ関西地区の京都でロケハンやオーディションをするという設定なので、『ブラック・レイン』も元ネタの一つに数えられるかもしれない。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:上白石萌音、深津絵里、川栄李奈ほか
脚本:藤本有紀
制作統括:堀之内礼二郎、櫻井賢
音楽:金子隆博
主題歌:AI「アルデバラン」
プロデューサー:葛西勇也・橋本果奈
演出:安達もじり、橋爪紳一朗、松岡一史、深川貴志、松岡一史、二見大輔、泉並敬眞ほか
写真提供=NHK
 

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