「より俯瞰的に自分のことを見られるようになった」

ーー趣里さんが演じている瑠璃は、新名も絶大な信頼を寄せているように、かなりしっかりした、非常に頼りがいのある人間です。

趣里：最初に台本を読んだときから、口調がみんなに対して軽い口のきき方だったんです。だから「どういう人なんだろう？……」と考えました（笑）。台本には細かく設定が書いてあるわけではなかったのですが、監督が衣装合わせのときに、「帰国子女で誰に対しても距離が近いキャラクター」という話をされていて、それで衣装も派手になりました。私にとっても「こんな色の衣装が着られるんだ！」というサプライズになりましたね。

ーー新名役の阿部寛さんとは現場でもコミュニケーションを取られているんですか？

趣里：土佐兄弟の有輝さんや岡崎体育さんがムードメーカーなので、みんなでいるときは阿部さんも一緒に笑っていらして。ほんとに素敵な方だなと毎日感動しています。私は初めましてだったので、「阿部さんが笑った！」とほっこりしてしまいました（笑）、本当にフラットに接してくださって、嬉しいです。チームの雰囲気作りも含めて、本当に座長の背中を追いかけていくという感じで。お芝居面もそうですけど、目を見るだけでも感じることがたくさんあるので、自然と動いているところがあります。

ーー阿部さんは、寡黙でありつつもすごく面白いことを言ったり、みんなを引っ張っていくリーダー的な魅力があるようなイメージがあります。

趣里：本当にその通りだと思います。座長としていてくださるだけで安心感もありますし、実際にシーンの中でも我々を引っ張っていってくださっています。だから自然と隊長に対して忠実に行動するという反応もできますし、琴線に触れるシーンは特にこちらが頑張ろうとしなくても、ちゃんと引き上げてくださりますね。なんて素晴らしい方なんだろうと日々感じていて。目標にもなりますし、本当にありがたいです。

ーー瑠璃は“圧倒的なサイバー能力”を持っていることが強みだと思いますが、趣里さんご自身は何か自分で“圧倒的”と思える部分はありますか？

趣里：えー！　なんだろう……。瑠璃みたいな圧倒的な能力は欲しいですよね。でも、「よくそんなにずっと考えていられるね」みたいなことは言われます（笑）。お仕事以外のときでもお仕事のことを考えちゃったりとかするんです。だんだん肩の力を抜くことは覚えてきたものの、バレエをやっているときもそうだったんですけど、ひとつのことに突き進むというか、ずっとひとつのことを考え続けてしまうところがあります。

ーーストイックみたいなことですか？

趣里：そうかもしれないです。あと以前、シス・カンパニーの北村明子社長が言ってくださったのは、「趣里ちゃんは根性じゃなくて、ど根性の人だから」と。それはそうなのかもしれないなという部分がちょっとあって、“根性論”という感じで日々やらせていただいています（笑）。意外と体育会系というか、自分を奮い立たせているみたいなところもありますね。

ーー2011年の俳優デビューからは11年が経ちました。

趣里：もうそんなに経っているんですね！

ーー本当にいろんな作品で拝見する機会も増えていますが、30代に入ってから、仕事やお芝居の取り組み方に関して何か変化を感じたりすることはありますか？

趣里：自分が想像していた30代はもうちょっと大人だったなと思いますし、昔から変わっていない部分もあります。それこそ先ほど言ったことでもありますが、良い作品を作るためには、自分のポジション、そして人と一緒に作っていることをしっかり自覚することが大事だと、より身をもって感じられるようになりました。いま思うと、10年前とかは「私は人一倍頑張らなくてはいけないんだ」ということに囚われすぎていた部分もあったのかなと思います。ですが、最近は「そういうときもあるよね」と、より俯瞰的に自分のことを見られるようになりました。ひとつの信念としては、皆さんに楽しんでいただくために、チームで作品を作り上げていくことの大切さが、より明確にわかってきたかなと感じます。だからこそ、自分が作品の中で何を求められているのか、自分のポジションがよりはっきりしてくる。なので、求めてもらえる限りは頑張りたいなと、より明確になってきた感じがしますね。“自分との闘い”の部分ももちろんありますし、これからも「楽しむ」ということを課題に頑張ります。

■放送情報
日曜劇場『DCU』
TBS系にて、毎週日曜21:00〜放送
出演：阿部寛、横浜流星、中村アン、山崎育三郎、趣里、高橋光臣、岡崎体育、有輝（土佐兄弟）、高橋颯（WATWING）、佃典彦、春風亭昇太、市川実日子、吉川晃司
第8話ゲスト：田辺誠一
プロデューサー：伊與田英徳、関川友理
制作：TBSテレビ
共同制作：ケシェット・インターナショナル、ファセット4メディア
協力：海上保安庁
製作著作：TBS
(c)TBS
公式サイト：https://www.tbs.co.jp/DCU_japan/
公式Twitter： @DCU_japan

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